女の子の日 fkr ページ16
Side:you
朝目覚めると、下腹部に感じる痛み。
これまで何度も同じ経験をしてきたのだ、瞬時にその原因を察する。
私は生理痛が重い方だった。
早いに越したことはないと思い、痛み止めを飲む。
福良くんはまだ起きてきていないようだ。
もう少しだけ寝かせてもらおう。
そう思った私は、自室に戻りベッドに潜って目を閉じた。
あれから私は薬の副作用でかなりの時間眠っていたのだろう。
さっきまでと比べて、日差しが強くなっていることが分かる。
さすがに福良くんの朝ごはんを用意しようと、ずるずる重い体を引きづってリビングへ行く。
「あ、おはよ、体調どう?」
リビングに入った途端、彼に声を掛けられる。
なんで体調悪いって知ってるんだろ…。
「薬の箱出したままだったからさ。何か食べれそう?」
まるで私の心を読んだかのように彼は答える。
それより、福良くんは朝ごはん食べたのだろうか。
「俺はお腹あんまり空いてないし…。A、どうする?まだ寝てる?」
せっかく彼がここまで言ってくれてるんだ。
お言葉に甘えよう。
『ごめん、もう少し休んでくる。』
「別に謝らなくてもいいのに。何かあったら呼んで。ここで仕事してるから」
優しく声をかけてくれる彼に背中を向け、自室に戻る。
部屋に戻った瞬間、ぐったりと力が抜ける。
ベッドに入る気力もなく、がたっと音を立てて倒れ込んでしまった。
扉越しから “A?” という私を呼ぶ声が聞こえる。
そう思った瞬間、扉が開き、福良くんが飛び込んでくる。
「そんなに体調悪かったならちゃんと言ってよ」
呆れたように言いながら彼は私をベッドに入れてくれた。
そしてトントンと音をたてながら私を寝かしつけてくれた。
『なんか福良くんと付き合えてよかったって思う。』
「でしょー、はは」
へなへなと笑う彼を見ていると安心して瞼が落ちていった。
目覚めた頃には痛みもほぼ治まっていた。
だらけた一日になってしまったけど、更に福良くんのことが好きになった1日だった。
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作者名:Karen | 作成日時:2020年4月4日 2時