【QK】怖がらないで【ymmt】

2.宅飲み ページ9

山本さんについてコンビニに入った。
山本さんはお酒を選んでいる。
私は涙は止まったけどしゃっくりが止まらない。



｢ね、どれなら行ける？ビールいっちゃう？｣

『お酒、強い方じゃ、ない、ので』


本当に、お酒は強くない。
強くないというか、泣き上戸なのだ。
迷惑をかけてしまうのなんてわかりきっている。


｢んーじゃあ、ほろ酔いくらいにしとくか、｣

｢僕お酒は強い方なんだよね、｣


なんて話してる山本さんを見てると、心が落ち着いてくる。


『あ、おかね、』

｢いいよいいよ、僕が誘ったんだもん。流石に僕がだすよ｣



また山本さんに負担させてしまった。
このお返し、いつかしなきゃいけないな。


そして、コンビニから出て、歩くこと約10分、


｢僕の部屋、ここ｣


と、言われて入ったマンションの一室はとても綺麗に整頓されていて、声も出ないくらい感心した。



『お邪魔します…。』

｢男の部屋だから臭かったらごめんね、｣

『いえ、全然』



臭いなんてありえない。家政婦さんいる？ってくらいピカピカ。ホコリひとつない。
これは私の部屋の方が汚い、男性に負けるなんて悔しい。女として悲しい。



｢さて、飲むか！｣


山本さんは腕まくりをして、缶を机に並べる。
缶を開ける前に私は声を出した。


『あの』

｢ん？｣



これは気になってる事聞かなきゃ。なんで私を宅飲みに誘ったか。
とはいえ、大体察してるけどね。
さっき泣いた理由、気になるだけでしょ。

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