。 ページ7
かなりの時間レジ打ちをしていてもうすぐ20時だ。
バイトも終わる時間が近いなあ。
私3時間も立ちっぱなしなのか。
どうりで腰が痛いわけだ。
「あれ?Aちゃん?」
久しぶりに聞くこの声。
もう、会わないようにと思っていたこの声。
『あ。』
久しぶりに顔を見た。山本さんだ。
「Aちゃん、ここで働いてるんだ。家、この辺?」
なんで話しかけてくるんだ。
こっちはバイト中、あなたはお客さん。
さっさと会話を終わらせて帰ってもらおう。
『家は○○市ってところに、』
「え?ここまでどうやって来てるの?車?」
『いえ、免許持ってない、です。歩きで来てます。』
家からここまで2キロくらいある。
大抵の人なら歩いてこないだろう。
でも私は景色が好きだから歩く、夜は暗くて怖いけど。
「歩き!?こんな時間から歩いて帰るなんて危ないよ!」
心配してくれるのはありがたいが、別に平気だ。
別段可愛い訳でもない私は襲われるような事は勿論、
男性に声をかけられることもない。
『今までずっとこれですけど、何も無い、ですから。』
「Aちゃん可愛いんだから駄目だよ!僕も歩きだけど良ければ送るよ!」
『え?いや、私バイト中なので』
今この人私の事可愛いって言った…?
うわぁ、出会った時から、人の心に侵入するの上手だな、とか思ってたけど。
これはモテる人のアレだ。
こういう人ってサラッと言うからすごいな、と思う。
「まぁいいじゃん。送ってもらいなよ。ほら、もう上がりの時間だし。」
『ちょっ、店長!』
急に店長が割り込むように話に入ってくる。
「この子、Aちゃんの彼氏?」
『違います。私に彼氏いないの知ってますよね。』
彼氏なんていない。
分かってるくせにいじってくるなんて。
店長も性格が悪い。
「え?Aちゃん、彼氏いないの?」
なに、“え?”ってなに?
そこ驚くところじゃなくない?
ちょっと山本さんは騒がしすぎる。
もう、この人のことは無視しよう。
山本「Aちゃん彼氏いないの?」
『いません、けど。。』
221人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
【Q|K】夫にもっと砂糖対応されている件について【fkr】
【QK】Love is like a flower-you’ve got to let it grow.
もっと見る
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆめ(プロフ) - 初コメ失礼します!お話凄く面白いです!悪女の名前が『さし美』なのが個人的にツボです笑応援してます!頑張ってください! (2020年4月26日 23時) (レス) id: 62ce7395c2 (このIDを非表示/違反報告)
颯羅(プロフ) - この作品の続きみたいです!頑張ってください、応援してます! (2020年4月10日 21時) (レス) id: c3466fa469 (このIDを非表示/違反報告)
鮭大根(プロフ) - 好き。続き読みたいです!!! (2020年4月10日 15時) (レス) id: c882518901 (このIDを非表示/違反報告)
こころ(プロフ) - 初コメ失礼します。個人的にはすごくピュアピュアな2人のこれからを見たいと思うので、付き合ってからの話をみたいなと思います! (2020年4月10日 15時) (レス) id: 25580d8a5d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Karen | 作成日時:2020年3月29日 21時