検索窓
今日:6 hit、昨日:1 hit、合計:85,605 hit

ページ32

目を閉じるとすごくふわふわした世界。
これは、夢?
久しぶりに、幸せな雰囲気の夢だ。

ほら、みて。
私の好きな物に囲まれた世界。
まるでどこかの国のお姫様になったような気分。
私とは真逆の人生を歩んでいないとこんな女の子にはなれないだろう、という雰囲気

私の家はお金に余裕がある方ではなかったけど、両親と共に幸せに暮らせていたと思う。
でも、人生が上手くいっていたかと言われるとそうでもなかった。
山あり谷ありとか言うけど、私がいるのは常に谷底。
幸せになる事なんて許されない人種なのでは?とすら思うほど。

でも、今は幸せが近づいてきているような気がする。
時間があったら彼のことを考えてしまうようになるくらい心に余裕があるのだ。
お酒だって、美味しいと思えるようになってた。
今までの悪い記憶を全部洗い流して、新しい人生歩み始めようか…?

そんなことしていいのかな。
いいよね、幸せになっても…いいよね。
みんな、許してくれるよね。

「…ちゃん」

「Aちゃん?」


『んぅ…』


あれ、私、結構しっかり寝てた?
祥彰の近くにいると安心してすぐに力が抜ける。
なにこの人。魔術師か何か?


「起きた…?なんか、泣いてるけど大丈夫?」

『へ?』


そう言われて顔を触ると、かなり濡れていた。
そうか、私、今まで頑張ったんだな。
溜め込んでたはずのものが涙となって外へ出ていっている。
大丈夫。今の私なら、大丈夫。
人は変われるんだから。


『ごめん、やな夢見てたのかも』

「起こしてごめんね」

『祥彰に起こしてもらえなかったら、一生起きれなかった気がする…』

「眠り姫みたい、だね」

『そうかも、ふふ。ありがとう。』


なんて話していると突然、祥彰が抱きしめてきて。


「絶対、大丈夫だから」

『え?』

「Aちゃんは、変われてるから。」

「これからAちゃんがとんでもない状態になっても」

「Aちゃんが好きって事実は変わんないって、覚えといて」


私の思考回路が見えているのか、というくらいの発言。
驚きが隠せない。
けれど、それ以上に彼に対する思いが爆発しそうになった。



『ありがとう、好き。だよ』


恥ずかしいけど、はっきりと伝えて。
彼の背中に手を回した。



「…よかった」



そう呟く彼が、愛しくてたまらなかった。

。→←10.飲み会



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (81 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
221人がお気に入り
設定タグ:QuizKnock , 山本祥彰 , QK
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ゆめ(プロフ) - 初コメ失礼します!お話凄く面白いです!悪女の名前が『さし美』なのが個人的にツボです笑応援してます!頑張ってください! (2020年4月26日 23時) (レス) id: 62ce7395c2 (このIDを非表示/違反報告)
颯羅(プロフ) - この作品の続きみたいです!頑張ってください、応援してます! (2020年4月10日 21時) (レス) id: c3466fa469 (このIDを非表示/違反報告)
鮭大根(プロフ) - 好き。続き読みたいです!!! (2020年4月10日 15時) (レス) id: c882518901 (このIDを非表示/違反報告)
こころ(プロフ) - 初コメ失礼します。個人的にはすごくピュアピュアな2人のこれからを見たいと思うので、付き合ってからの話をみたいなと思います! (2020年4月10日 15時) (レス) id: 25580d8a5d (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:Karen | 作成日時:2020年3月29日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。