10.飲み会 ページ31
「せーの!」
「「『かんぱーい』」」
伊沢さんの掛け声から始まるサークルの飲み会ノリ。
楽しいんだけどね?
テレビに出てる伊沢さんとぜんっぜんちがうじゃん。
なんというか、違和感。
「どうしたの?飲まないの?」
私が考え込んでいたのを心配してくれたのだろう。
祥彰がこえをかけてくる。
実際考えていたことはくだらない事なのだが。
『ぼーっとしてた、いただきます。』
ゴクッと1口目は大胆にいく。
じわぁっと広がっていくアルコールの感覚がある。
私はこれが苦手だ。
侵略されていっているような気がするから。
ぎゃあぎゃあと騒ぎ立てる伊沢さんと須貝さんを横目にお酒を嗜む河村さん。すごく似合ってる。
山本くんは…と彼の方を見るとパチッと目が合う。
「誘っといてあれなんだけど、飲みすぎないようにね…」
『うん、自分の限界値は自分がわかってるから。』
「そう言いながらもう口調がふわふわしてるじゃん」
『大丈夫。気を付ける。』
「大丈夫なのこれ、」
山本くん心配してくれるのは嬉しいけどね、
私お酒得意じゃないけど苦手だけどそーんな早くは酔わないよ、ばーか
また1口、お酒を飲む。
あれ、このお酒美味しい。これいける。
ペースを上げて飲んでいると、手に持っていた缶を何者かに奪われる。
誰?なんで取るの?
そう思い顔を上げると、祥彰が私の飲んでいた缶を持って目の前にいた。
「ほんと飲みすぎ。ほら、水飲んで」
そう言って水の入ったコップを渡される。
水を飲むと意識が覚醒してきて、冷静になれた。
周りを見ると、伊沢さんと須貝さんは酔いつぶれて寝ているみたいだった。
酔い潰れている2人と同じペースで飲んでいたなんて、いかに自分が飲みすぎていたかを思い知る。
水を飲んでスッキリしたはずなのにまぶたも落ちてくる。
すごく、眠い。
「なに、ねむいの??」
『ううん、大丈夫』
「僕はこの2人をソファーの方に連れてきますね。」
河村さんが伊沢さんと須貝さんを順に運んでいく。
やっぱ男性は力持ちなんだなあ。
なんて考えていた時、
あ、やばい。目、閉じる。
眠すぎ。
力の抜けていくからだに抗うことも出来ず倒れ込み目を閉じる。
「そういうの良くないって。」
祥彰がそんなことを言っているのが私の記憶の最後だった。
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ゆめ(プロフ) - 初コメ失礼します!お話凄く面白いです!悪女の名前が『さし美』なのが個人的にツボです笑応援してます!頑張ってください! (2020年4月26日 23時) (レス) id: 62ce7395c2 (このIDを非表示/違反報告)
颯羅(プロフ) - この作品の続きみたいです!頑張ってください、応援してます! (2020年4月10日 21時) (レス) id: c3466fa469 (このIDを非表示/違反報告)
鮭大根(プロフ) - 好き。続き読みたいです!!! (2020年4月10日 15時) (レス) id: c882518901 (このIDを非表示/違反報告)
こころ(プロフ) - 初コメ失礼します。個人的にはすごくピュアピュアな2人のこれからを見たいと思うので、付き合ってからの話をみたいなと思います! (2020年4月10日 15時) (レス) id: 25580d8a5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Karen | 作成日時:2020年3月29日 21時