【QK】怖がらないで【ymmt】

。 ページ22

さっきまで私が眠っていた部屋に戻ってきた。
ここが撮影部屋なんだ。



｢さっきは、ごめんね。その…付き合ってる、とか｣

『ううん、全然平気。』



正直言うと満更でもなかった。
なにこれ、山本くんといると、きゅううって胸が痛い。
ぎゅって、握りつぶされているような。
最近、こういう風に頻繁になる。
その感覚が苦しくて、顔をゆがめたのが気にかかったのか、



｢どうしたの？まだ、体調悪い？｣

『違うの。大丈夫。仕事、教えて？』

｢大丈夫ならいいけど。じゃあ、説明してくね。｣

｢僕だったら、大会出たこともあるし、陸上関係で書いたりとかね。｣


そんなこんなで1時間くらい、山本くんに記事の書き方を教えてもらった。
明日は記事にできるネタ探しに行こって誘われて、嬉しくて。
今日もバイトがあるので、残念に思いつつもわくわくしながら家に帰った。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

side:izw


山本とAちゃんが2人で撮影部屋に行った。
あれで付き合ってないのかよ。
どう考えても両思いだろ。
こっちがムズムズするわ。



｢そういえば福良さん、｣

｢ん？なに？こうちゃん。｣

｢やらなきゃいけないことってなんです？｣


こうちゃんが福良さんに尋ねる。
たしかに、それ俺も気になってた。


｢あんなの嘘に決まってるじゃん｣

｢え？そうなんですか｣


…なるほど。
まあ福良さんとAちゃんが2人で作業するってなったときの山本の顔やばかったからな。


｢山本見たら、Aちゃんに近づくなって言われてるような気がして。｣


そう話している福良さんはいつもより楽しそうだった。
そんなに人の恋愛事情は面白いか？
まあ、面白いか。

。→←。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す