そのあとの心境 ページ8
KARASUサイド
K｢…あー…｣
家に帰るなり、唸りながら自分の部屋のベット
へと腰掛けた。そして何も無い真っ白な天井を
ただぼーっと見つめているだけ。なのに、思い
浮かぶのはさっきのあいつの顔だった。
K｢キス、してしもうた。｣
自分の唇に触れる。多分、あいつからしたらフ
ァーストだったのかもしれない。いや、でも初
めてであんな艶やかで色っぽい顔出来るもんな
ん？初々しさからして、初めてやと思ったけど…
K｢…あんな顔されたら、止まらんくなる…｣
俺から距離を置いたあと、頬を赤く染めて目線
を逸らしながらも、唇を少し噛むあいつの表情｡
何もかもが色っぽくて、よく我慢したなと思う｡
K｢…電話…？｣
突然俺のスマホが音を鳴らした。電話の相手は
俺が仲良かった大阪の友達。今か、とは思いな
がらも電話に出ると、聞こえてくる懐かしい声｡
『よー！元気にしとるー？』
K｢おう、むしろ元気以外ないわw｣
『で、どうよ。あの人気な女の子とは！』
K｢あー、奇跡的に同じクラスで隣の席やで｣
『まじか！？自分、運よすぎやろ！？』
K｢しかも何気に学校案内もしてもらった｣
『…俺も引越ししてそっち行きたいねんけど』
K｢それはストーカーやwで、何気に仲良くなっ
たんやけど、やらかしたかもしれへん…｣
『え、なになに｡まさかもう手ぇ出した感じ？』
K｢2人きりの時、キスしてしもうた。｣
『うわぁ…それはやらかしたなぁ…』
K｢可愛かったんやもん。近くで見るとわりと小
柄やし、耳が弱いのか可愛ええ声出てたし。俺
からしたら攻略しがいのある女の子やで？｣
『お前恋愛を攻略とか言うなってw』
K｢いや、俺はあくまでもゲーム感覚やから。恋
愛とはちゃうねん。これはゲームなの。｣
『相変わらずひっでぇやつだなw』
K｢それはもう分かりきったことやろ？だからい
ろんな女攻略して、要らなくなったら捨てる。｣
『それ、モテるから出来るんやからな？w』
K｢…ま、でも今回ばかりは本気ださんと俺が負
けてまうからな。かなりレベル高いし。｣
『へぇ、翼がそこまでムキになるくらいかぁ…』
K｢そんなにムキになってへんよw｣
『いや、これはガチだな。応援してるわw』
K｢まーお前も頑張れよ？｣
『ほーい、じゃあまたなぁ！』
電話が切れた。あまり長時間は話していないけ
ど､だいぶ細かく話してしもうたな｡ムキになる?
いやいや、これはあくまでゲームやから。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 70人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まい | 作成日時：2020年10月14日 17時
