人気者の裏 ページ5
KARASUサイド
あの時の衝撃、言葉では表せないくらいのもの
やったなぁ…。まさか学校で、あんなに雰囲気が
変わってるなんて思いもせぇへんやん?
K「よろしくな」
ここで関わりやすいような演出をする。俺から
話しかけることによって相手も安心するやろ?
「よろしくお願いします。」
思ってたよりも素っ気ない応答だった。という
か、興味のなさそうな応答。と言った方が正し
いのだろうか。…なんか意外やな。
休み時間にはクラスの女に囲まれた。別に慣れ
てはいるけど、しつこい女は嫌いや。
K「ありがとな」
一応優しいやつを演出しておこう。俺、興味の
ないやつらはどうでもええって思っとるし。
K「ごめんな、さっき座れなかったやろ」
休み時間の終了間際、隣のあいつが戻ってきた。
座る時に若干ため息をついていたから、俺がさ
りげなく声をかけてみたのだ。
K「もしよければ、今度学校案内してくれへん?」
「え、あぁいいですよ。」
驚くくらいにクールなタイプやな。名前は濱中
Aっていうらしい。まぁ一応の確認やけど。
Aは俺の事知るはずもないか、俺はこんなに
こいつのことを知りたいと思っとるのに。
掃除場が奇遇にも同じだったから、彼氏につい
て聞いてみた。すると意外にも彼氏はいないと
のこと。ラッキーな条件やなぁ。
K「そりゃあそうやろ、嬉しいけど面倒やもん。
Aと話してる方がよっぽどマシやで?」
「そう、ですか。」
ふいっと顔をそらされた。耳がほんのりやけど
赤くなってるのバレバレやで?おそらく慣れて
ないんやろうな。その方が攻略しがいもある。
放課後、あいつはHRが終わるなりすぐに教室を
出ていった。多分部室に行ったんやろうな。け
どここで俺が知ってたってなると怪しまれる。
K「なぁ、濱中さんってどこ行ったん?」
「部活だと思うよ!」
たまたま近くにいた女子に声をかけた。1人に
声をかけたつもりが、沢山集まってきた。
「ダンス部期待の1年生だからね!」
「かなり上手いんだって!イケメンな先輩にも
囲まれてるらしいんだよねぇ、羨ましい!!」
…イケメンな先輩、ねぇ。
K「他に部員おらんの?」
「うん!先輩3人とAちゃん1人らしいよ!」
なるほど、それだとこの計画を大きく変える必
要があるみたいやな。今度担任に聞いてみよ、
K「ありがとな、じゃ」
一緒に帰ろうよ、なんて言ってくる女子もいた
けど俺は笑顔で追っ払った。めんどくさ。
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作者名:まい | 作成日時:2020年10月14日 17時