最終列車。【煉獄杏寿郎】

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新幹線を降りればまた電車に乗り、バスに乗り
とにかく実家へと急いだ。

静かに横たわる祖母は最後に見た時よりも幾分か痩せ、骨張った弱々しい手が私の手の甲をなぞった。
声も掠れ、殆ど口パクのようで、
すぐそこに飾られた数年前の写真が酷く昔のようにさえ感じられた。

思えば昔の私の恋を1番最初に見破ったのは不思議と祖母で
失恋して慰めてくれていたのも祖母だった。
祖母にしか私の恋なんて打ち明けていないし
身内では祖母だけが私の恋を知っていた。今の恋以外は。


とあることに気づいたのはその日の夜のことで。
ふと思い出して煉獄さんへと連絡しようとした。一応、彼は私が居ないことなんて気にしていないかもしれない。それでもどうしてか伝えたくてスマホの電源を入れれば、届いていない電波。そして当然送れないメッセージ。
母の話によれば最近は電波障害で繋がらないことが多いのだそうだ。早く言ってくれ。

誰もいない、元々私の部屋だった一室で布団を敷きながらため息をついた。

「…煉獄さん、心配してくれてたりしないかな…」

連絡出来ずで急にあの店から消えて。
連絡はくれているか分からないが繋がらない。
寝る前に頭に浮かんだのは煉獄さんの顔だった。

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