最終列車。【煉獄杏寿郎】

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もうすぐ着くとのメッセージが来た瞬間、私は鏡の前へと走った。
メイクやら髪型やらをもう一度念入りにチェックをした。

その後家を出ると、窓からほんの少し身を乗り出してこちらに微笑みながら手を振る煉獄さんの姿があった。

その姿に1度落ち着いていたはずの心臓はまた脈を立てる。
そろそろ心臓が壊れてしまいそうだと思うほど今日は心臓が忙しい。

またあの時のように車に乗ることを促され、恐る恐る乗り込んだ。
やはり夜景と煉獄さんはものすごく絵になって
私はそんな彼にまた見とれてしまう。

「食べたいものはあるだろうか？」

まだ車は走らせずに私の目を見て彼はそう問いかけてくる。

迷ったらパスタ、迷ったらパスタ
そう頭に巡らせた時だった。

「君の好きな食べ物はなんだ？」
『うどんです』

ここでしくじったと思った時にはもう遅く

「ではうどんを食べに行こう！」

と車を走らせる煉獄さんの耳には、訂正してもほぼ何も届かないだろう。

「そこと、あそこにもあるが、どっちの店が好きだ？」

やはり煉獄さんが聞いてきたお店はお洒落な雰囲気なんてものはなく、某有名チェーン店2つだ。

ここも馬鹿正直に答えれば本当に駐車場に入っていくこの車。
店に入れば大体客層は家族連れに一人で来ているサラリーマン。
若い男女2人組なんてどこにも見当たらなかった。

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