20 ページ20
その後、宇髄さんには色々と文句を言われてしまったが仕方ない。
小さなすれ違いなどよくあることだろう。
…ではなく。
私はこの最高潮とも思える興奮を外に出さぬよう必死だった。
「では、また後で電話する!」と言い、いつも通り「美味かった!」と店を出る煉獄さんと、未だに告白ではなかったと引きずる宇髄さんを見送り、私はその後もバイトに勤しむ。
バイトが終われば家に帰り、クローゼットの中から服を引っ張り出して選び出す。
どんな服が好みなのかな、どんな服なら釣り合うかな。
なんて考えてしまうのは恐らく前よりも好きだからなのだと思う。
思いは加速するばかりで、自分で行動を起こすこともなかなか出来ないくせに止まることを知らないらしい。
乗ってしまったが最後って感じか。
親友に手伝ってもらってなんとか選んだ服に着替え、メイクを直し、髪型もセットし直した。
あの時よりも女子力上がったのは確かだろう。
電話が来たのは午後7時頃。
迎えに行くから待っていて欲しいとの事。
それを親友に報告すれば、すぐにかかってきた電話。
「いいじゃん!食事でしょ?どこ行くつもり?
…まさかそこ考えてないことはないわよね」
親友のその言葉に黙り込むと盛大なため息が通話越しに聞こえて来る。
そこで親友からのアドバイスは
「迷ったらパスタよ!雰囲気もあるだろうしね。いい?間違ってもうどんはダメ。大体行くだろう範囲に洒落たうどん屋さんなんて知る限り1軒もないからね」
『うどん…ねぇ、分かった、パスタね、パスタ』
「迷ったらだからね?迷ったら!!」
何度も念押しされて通話が切れると、携帯の画面に「今から迎えに行く」という煉獄さんからのメッセージ通知が来た。
そこからどう過ごしていたかはもはや思い出せない。
心臓の音がうるさかったことは覚えている。
157人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まゆ(プロフ) - 更新頑張って下さい!応援しています! (2022年4月18日 7時) (レス) @page36 id: d503357f65 (このIDを非表示/違反報告)
衣世(プロフ) - 更新お疲れ様です!夢主うどんが好きって正直に言っちゃうの可愛いです(^_^)私もうどん好きです!笑 (2021年6月14日 18時) (レス) id: 1ea4fe96cf (このIDを非表示/違反報告)
みからん。(プロフ) - 衣世さん» よくコメントしてくださってありがとうございます…!!引き込まれるってのは初めて言われたのでものすごく嬉しいです…!!これからも楽しみにしていてくださると嬉しいです! (2021年5月13日 20時) (レス) id: ae01bfe3d2 (このIDを非表示/違反報告)
衣世(プロフ) - かっこいい!最高ですね!車で迎えにきてほしいです(;´Д⊂)前作も読んでました。お話に引き込まれます〜(^-^)更新楽しみにしてます☆ (2021年5月13日 18時) (レス) id: 1ea4fe96cf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ