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大切な ページ36

Aも送り届けたあとの帰り道。
未だに音を立てる心臓にまた余韻を感じていた。

今日の彼女は一段と可愛かった。
いつもよりも気合いの入った容姿もそうだが
主に仕草だったり性格だったり


1つ。Aが空を見上げて目を瞑って
胸に手を当てて何かを祈っていた。
そして彼女は
『星に願いを、ですよ』
と言った。

既視感を感じて思い出して見りゃ...
あん時の夢だった。
全く同じことを言っていたような。
願掛けしたくなるってのもそうだ。
まさかあの夢の女...と思わずには居られなかった。

あの夢はよく思い出せば昔のような感じだったか。着物だった。
もし前世だったとして
あの夢の中の女が本当にAだったとして
そしたら前世はAと結婚していたのかと思えばかなり嬉しくなった。



それから数日後。
あの時
「そ、そうか、そうか。とりあえず近いうちに2人で話そうじゃないか、実弥さん。」
とAの兄から言われ、連絡先を交換し、決めた日がやってきた。

仕事帰りに指定された店へ行くと先に彼は席に着いており
そのままテキトーに注文して、すぐに話し始めた。

「仕事は?」
「きっかけは?」
「Aのどこが好き?どこに惚れた?」
「いつから?」
「これまでの恋愛経験は?」

最初はとにかく降ってくるような質問攻めに答えていた。

「正直言って女遊びしてそう...」
「よく言われます」
「...今言ったことはAに言わないでくれ
ガチギレされる」

その言葉を皮切りにAの話に移った。

「Aは多分3兄妹の中でも1番しっかりしてると思う」
という話や
「面倒見がかなりいい」

という話から始まり
酒が入ると

「小さい頃は弱虫泣き虫、お兄ちゃんっ子だったのに」
「あの頃の素直で可愛いAはどこ行った」
「たまに口悪くして怒るところも可愛い」
「俺に厳しい」
「俺の自慢の妹だ」

とAの小さい頃の話だったり、妹自慢を色々と聞いた。
とにかくものすごく大事だということがかなり伝わった。

そして無事認められたようで、いつの間にか呼び捨てで呼ばれるようになっていた。




『...ひぇっ、お兄ちゃん!?酔いすぎ...』
「Aー!良い奴捕まえたなぁったくよぉ」
『さ、実弥さん...すみません何があったんですか?』
「...いや、正直よくわかんねェけど...
多分認められた」
「実弥ー、Aをよろしく頼んだぜー」
『呼び捨て!?!?』


これで無事、
Aの御家族に認めて貰えたのであった。

あれからの話。(小話)→←終わり、帰り、余韻



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みからん。(プロフ) - 奏海さん» 奏海ちゃんありがとおおお!めちゃくちゃ嬉しいっ! (2021年4月3日 22時) (レス) id: 3c762f9a68 (このIDを非表示/違反報告)
奏海(プロフ) - みかんちゃん!早速読みに来たよ〜!!!めちゃ面白い。。続き楽しみに待ってるね! (2021年4月3日 19時) (レス) id: d291d10447 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Ka:ran | 作成日時:2021年4月3日 15時

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