初めて2人で ページ33
水族館に入ると、自然にエスコートしてくれる彼。
｢かなり人多いからはぐれねェようになァ｣
そう言い握られた手に熱が篭もる。
本当に前世この人と...？
そう疑うほどに慣れず戸惑い、それでもものすごく幸せだった。
『あっ、さね...し、不死川さん！』
｢ははっ、実弥でいいぜェ｣
『さ、実弥...さん...？
あの、イルカの餌やり体験あるらしいですよ！』
｢おぉ、行くかァ｣
ちょっとした間違いがきっかけで実弥さんと呼べるようになった。
イルカの餌やり体験をする実弥さんにキュンとしてしまったり
イルカショーで濡れてしまった実弥さんはまさに｢水も滴るいい男｣だと思ったり
『さ、実弥さん怖くないんですか？』
｢怖くねェよ、可愛いじゃねェか｣
『うぐ...』
｢なんも食われも刺されもしねェよ｣
触れ合いコーナー。
実弥さんは躊躇なく水槽に手を入れヒトデを触る
私はどこか怖がってしまい水をつつくのみで水槽に第1関節すらも入れられていない。
｢それじゃそっちのアザラシにもアシカにも触れねェぞォ？｣
『くっ......』
｢ｸｸｯほら大丈夫だァ、ちと手ェ貸してみろォ｣
そう言うと実弥さんが私の片手を優しく包み、そっと水槽の中に入れた。
ザラっとした面に触れると肩がビクっと揺れ
それまた実弥さんに笑われ
｢ウニも触るぞォ｣
『え、痛くない？大丈夫？』
｢くすぐったいくらいだァ｣
と言いそのまま手を誘導され、ウニの1つの棘をチョンっと触る。
｢な？なんともねェだろォ？｣
彼はそう言って笑った。
私は赤くなってるだろう顔を俯けたままこくこくと頷くので精一杯だ。
アシカやらアザラシやらとも触れ合って
写真も撮ってみたりして
ペンギンの餌やりだとか
そしてまたショーを見て、
｢はーいじゃあ協力してくれる人いるかな〜？｣
なんて所で遊び心で2人揃って手を挙げてみれば
｢じゃあ...そこのカップルの2人にお願いしようかな？｣
『かっ......』
"カップル"の言葉にあからさまに反応してしまい、また笑われたり
それと一緒に、カップルに見られてると思うと何だかものすごく嬉しかったりして。
閉館時間前に何故か水族館を出た。
『時間経つの早かったなぁ...』
車の中でそう口に出すと
｢何言ってんだァ？まだ帰さねェよ｣
そしてまた車に揺られ、
その言葉の余韻に浸り、
『もう星が見える...』
そう言い、いつもの癖のように願った
"このまま本当に付き合ってしまいたい"
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 102人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みからん。(プロフ) - 奏海さん» 奏海ちゃんありがとおおお！めちゃくちゃ嬉しいっ！ (2021年4月3日 22時) (
レス) id: 3c762f9a68 (このIDを非表示/違反報告)
奏海(プロフ) - みかんちゃん！早速読みに来たよ〜！！！めちゃ面白い。。続き楽しみに待ってるね！ (2021年4月3日 19時) (レス) id: d291d10447 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Ka:ran | 作成日時：2021年4月3日 15時
