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夢が見せたもの ページ19

『っっ......』


今は何時だ?

窓を見ると空は明るい。
なんとも長い夢を見た。
夢の中で何年も年を過ごした気がする。

今日は何年何月何日?

不思議な体験からか、ものすごく変な感覚だった。急いで携帯を付け、1晩しか経っていない事に安堵し、ため息をつく。
目覚ましが鳴る時間まであと30分ある。

私はそれまで横になったまま夢のことを考えていた。

家族が家族だった。
お父さん、お母さん、光玲、お兄ちゃん。

光玲は夢の中では2歳下だった。
現実では歳の差8歳。
お兄ちゃん...光真は夢の中で4歳上。
現実では3歳上。

...あと炭治郎くんと善逸くんと伊之助くんもいた。
現実では店の常連さんだ。
勉強に光玲をよく混ぜてくれる。

...あと...
実弥さん...。夢の中ではその人と結婚してた...よ...ね。
でも現実では知らない。会ったことも見たことすらない。
不死川実弥...聞いたことのない名前だ。

他にも一人一人思い出していた。
1つ。

『胡蝶...さん...』

胡蝶と聞いてハッとしたのは、
ケーキの注文電話をくれた女性だ。
特大ケーキの注文。
"胡蝶カナエ"と言っていたか。

夢の中では"胡蝶しのぶ"だったはずだ。


...そして実家の甘味処の名前が
【甘星】

...聞き覚えがあった。
なんとなく確信は着いたが一応起き上がり、
収納となっている和室へ行き、本棚から1冊の本を取り出した。

【甘味処甘星】の文字の下に
【Honey Starー蜜星ー】

と表紙に違う筆跡で書かれている書物。

この店についての書物だ。
そこで確信は濃くなる。

甘味処甘星は今の店の昔の店名。
夢の中ではまだオープンしたての甘味処...


つまり...





私は昔を夢で見ていた。
明治末期からの、この店が出来たばかりの頃を。

下手すると前世...?
なんて考えも軽く頭に過ぎる。



"もしも生まれ変われるのであれば
また貴方と添い遂げたいものです。"



これは...夢の中で
私が死ぬ前に、空を見て、星に向けて呟いた希望。

空の上に愛する人がいるのでしょうと願って。


...そして現実のこの私も恥ずかしながら...かは分からないけれども
よく夜に、星に向かって願い事を呟いているのだ。

そしたら星が......なんて考えてしまうも頭の中からなんとかかき消す。


『...ぐ、偶然よね...!』


そんなことを呟きながらも胸が高鳴る自分が居た。

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みからん。(プロフ) - 奏海さん» 奏海ちゃんありがとおおお!めちゃくちゃ嬉しいっ! (2021年4月3日 22時) (レス) id: 3c762f9a68 (このIDを非表示/違反報告)
奏海(プロフ) - みかんちゃん!早速読みに来たよ〜!!!めちゃ面白い。。続き楽しみに待ってるね! (2021年4月3日 19時) (レス) id: d291d10447 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Ka:ran | 作成日時:2021年4月3日 15時

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