しくじりました。 ページ19
後悔は次の日にも続いていた。
「起キロ!起キロ!」
『私バカだぁぁ...あそこは完全に「煉獄さんの事が好きです」って言うとこだったぁぁ』
「朝カラウルサイ!散歩デモ行ッテ落チ着ケ!」
『やだめんどくさぁぁい』
「イイカラ行ケ!」
鴉に起こされそのままつつかれながら家から追い出された
『はあ...そこ私の家だっつーのに!』
家の中に戻ろうと考えるも、玄関の前に鴉がいる。
家に入ろうとしたらまたつつかれるだろう
『行けばいいんでしょ、行けば...』
そう言って重い足を動かした。
歩いてると大きな御屋敷が見えてきた。
そしてその中から見慣れた人物が出てきた。
『...宇髄さんじゃん...』
「おう!...地味な顔してんじゃねぇか、煉獄と何かあったか?」
『しくじりましたぁぁぁ!』
そう言う私を宇髄さんは屋敷の縁側に座らせ、話を聞いてくれた。
『好きですって言ったんですよ!...そしたら何をだ?って聞かれて...動揺して食べていたさつまいもたるとだと答えてしまって!!自分のバカさに頭が悩まされますね!』
「ははっ!そりゃあしくじったな!...にしても煉獄のやつ...」
宇髄さんはそう呟いて呆れたような顔をしていた
「うん、まあ絶対大丈夫だろ。頑張れよ」
そう口にした宇髄さんは、どこかに視線を移しながら私の頭を撫でた。
『撫で方まで派手じゃないですか。頭ぐしゃぐしゃです』
そう言うと、「ほらA、そこに煉獄がいるから行ってこい!」
強引に立たされ、背中を押された。
少し悲しげな宇髄さんの表情が一瞬見えた気がした。
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作者名:Ka:ran | 作成日時:2020年12月26日 16時