想いを伝えたかった。 ページ17
今日はなぜかそわそわしてしまい、落ち着かない
いつ告白できる機会が来るかなんて分からないのに
告白すると決めただけなのに
落ち着かない。
煉獄さんがこんな状況にあったら
「よもや、鍛錬不足なようだ!」
とか言うのかなぁ...なんてそんなことを考えてしまう。
『鴉!今日任務どこ?』
「知ラン!マダ分カラン!」
『ですよねぇ』
任務のことを考えようにもそれだと考えられない
『甘味処行くかぁ...いつもと違うとこの。』
そう呟いて家を出た。
『鴉ー、ここら辺甘味処結構あるけど、どこが美味しいの?』
「鴉ガ知ッテイル訳ナイダロウ!馬鹿!」
『鴉に馬鹿って言われたんだけど!もう!』
鴉とテキトーな会話を交わしながら歩いていると
「よもや!Aじゃないか!奇遇だな!」
後ろから大好きな声が聞こえた
ーーやばい。ここで告白の機会が入るとは
一瞬背筋が凍った
『れれれ...煉獄さん!奇遇ッッですね!!はい!』
「む?どうした?」
緊張から言葉が変になってしまったからか、煉獄さんは不思議そうな顔をして私の顔を覗くように顔を近づけてきた
『あのあの...あのですね!ほら!甘味処行きましょう!こんなとこで話すのも...ほら、うん。なので甘味処へ!』
「ははっ!そうだな!そこの甘味処へ入ろうか!」
こんな緊張でおかしくなっている私にも煉獄さんはいつも通り接してくれて
慣れてるのか...と感じてしまった。
甘味処での会話も少し変で、顔も真っ赤になりそうで、心臓もバクバクで、これまでにないくらいに恥ずかしくなった
『...あの!煉獄さん!』
思い切ってここで告白しようと顔を上げて名前を呼んだ
『...好きです!』
そう言い切ると一気に顔が熱くなり、また下を向いた。
「...む?何をだ?」
『...へ?...』
あぁ、そう言えば、恋愛に無頓着だとか鈍感だとか...そこまでとは。
『はっ、えーとですね、ほら、このさつまいもたるとです!』
「うむ!これは美味いな!」
そう言ってまた食べ進める煉獄さんを見て、後悔に苛まれた
なぜ貴方が好きですと言わなかったのか...
さつまいもたるととか言って誤魔化したのか
今回の告白は失敗に終わった。
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作者名:Ka:ran | 作成日時:2020年12月26日 16時