恋愛相談だった。 ページ14
ー煉獄sideー
『煉獄さん...すみません。恋愛相談に乗って欲しいんです』
「よもや...」
甘味処で席に着くと、Aはそう俺に言った。
まさかのまさかだが。実は彼女は本当は俺に好意を寄せていたわけではなかったなんてことは...
よもや、そうだったら自惚れていた事になる。
『好きな人がいて...その人に女として見てもらいたいんです...女性とはどうあるべきなのでしょうか』
戸惑った。そもそも、Aが言っている好きな人とは俺の事なのか。それとも別の男なのか。
それに、俺は恋愛経験などない。つい最近まで恋愛なんて興味すらなかったのだ
「俺にはよく分からん!...しかし、"どうあるべき"というものはないのではと思う。」
そう答えると、彼女は続けて言った。
『では、女として見て貰うにはどうしたらいいですかね...』
「...すまないが、俺は恋愛経験などない故、参考にすらならないとおもう...」
『それでも!煉獄さんの意見が欲しいんです!』
彼女の瞳は真剣だった。
「その人の為に努力している姿を見れば誰だって意識してしまうのではないだろうか。」
経験論だった。
俺自信が、Aが俺の為に努力をしていると知り、そこから今の感情に繋がっているのだから。
『私、しっかり女になります!それで、好きな人を振り向かせます!』
「よもや...君は女性ではなかったのだろうか!?」
『女ですが...!好きな相手に女性として見られるように頑張るのです!努力します!』
その好きな相手がもし俺だったら
「むぅ、俺からしたらしっかり女性なのだが。」
『...えっ』
そう言うと彼女は顔を赤く染めていた。
これはやはり、好きな相手は俺ということで間違いないのだろうか。
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作者名:Ka:ran | 作成日時:2020年12月26日 16時