涙 ページ47
実弥は最後に私の唇に接吻を落として
静かに、幸せそうに息を引き取った
もう実弥から呼吸音は聞こえない。
心臓からも音は聞こえない。
『実弥...ありが...とう...』
私、最後まで笑顔でいられたかな
実弥に最後に笑顔を見せられたかな
"会える。その時はまた幸せにする"
"ゆっくり待ってる。残り楽しんで生きろ"
"愛してる"
これが実弥の最期に遺した言葉
「兄貴...姉さんは俺に任せて
安心して眠ってくれ」
玄弥は実弥の肩に触れ、そう言うと
私の事を抱きしめてくれた。
堪えていた涙が溢れる。
『玄弥...ごめ...ん......みっともない...義姉で...ごめん...』
「そんなことないです。兄貴をありがとうございました」
実弥が亡くなって、どれほど泣いたのかわからない。
気づいたら私は実弥の部屋で1人ぽつんと座って泣いていた。
居間の方から善逸、禰豆子ちゃん、玄弥、獪岳の声がする。
私の代わりになにかやってくれてるのだろう
ふと机の上を見ると、2つ封筒が置いてあった。
"遺書 不死川実弥"
"不死川A"
1つは遺書、1つは私への手紙だろうか。
まずは私の名前が書いてある封筒を開けて読み始めた。
実弥の、人差し指と中指が無い中一生懸命に書いてくれたのが分かるような文字。
その手紙を読んでまた涙を流した。
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作者名:Ka:ran | 作成日時:2021年1月19日 17時