鬼ごっこの末掴んだ幸せ【不死川実弥】 (ページ22)

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義弟ページ22

『急なことでびっくりしてない？』
｢びっくりよりも嬉しい方が大きいので｣
『え、やだいい子すぎて泣ける。
実弥と結婚したってことは玄弥は義理の弟になったってことよね...いい子すぎる義弟だなぁ』

顔赤くなってる可愛い。

『なんか口悪くて性格おかしな女が大切な兄の嫁になってしまったわけだけれども...大丈夫？』
｢兄貴の選んだ女性だったら俺はいいと思います
兄貴の目は節穴じゃないと思うので｣
『うわっ...兄弟愛！！いいなぁ...こんな弟が欲しかったよ小さい頃から！！今はいないけど私の弟はほんとに私の事嫌ってたからねぇ...』

ってか私の弟、兄妹全員のこと嫌ってたよな。近づくな気持ち悪いだの触るな汚い垢が付くだの。何故だ

『実弥が何故玄弥に怒ってるのか、キツく当たるのかわかんないけど、なんかあったら言ってね。こんな奴だけど玄弥の義姉だから』
｢ありがとうございます！｣

玄弥は自分の席に戻り料理を食べる。

実弥は玄弥に怒ってるけど
玄弥を守りたいってのは絶対なんだよな。
今は私の義弟でもあるんだ。私も全力で守るぜ

｢実弥、A、結婚おめでとう｣
｢『御館様！』｣
『この度は私たちの祝言、祝宴にわざわざお越しくださり、ありがとうございます。』
｢私こそ、この素晴らしい祝いの場に呼んでくれてありがとう。実弥はずっとAを気にかけていたからね。｣
『えっ、ずっとっていつからですか』

御館様答えてくれなかった。
終わったら実弥に直接聞いたるわ

｢実弥、A、幸せになりなさい。
結婚しても尚鬼殺隊でいてくれる事、ありがたく思うよ｣

そう挨拶を終えると一足先に御館様は御屋敷へ戻っていった。

『...実弥？実弥！？何故急にお酒飲み出した！？』
｢悪ィか｣
『あ、え、いや悪...いのこれ？わかんねぇ
...実弥ってお酒強いの？』
｢普通じゃねェの？｣
『うん。飲みすぎんなよー』

お酒飲んでる実弥初めてみたー。
色っぽいなぁ。

そう思ってそのまま私は料理に視線を戻そうとした。
その時急に顎を捕まれ顔の向きを変えられた。
目の前には実弥の顔。

『...なに？』
｢目ェ瞑れ｣
『え？ん？』

...あ、理解。
そのまま目を瞑るとすぐに唇を重ねられた。
接吻......

初めての接吻だった。

唇が離れ、ゆっくり目を開けると悪戯っぽく笑う実弥

止まっていたかのように静かだった心臓が急にドクドクと脈を立てた。

この人と生涯を共にする
その事実でもう既に幸せだった。