求婚鬼ごっこ【柱】 (ページ20)

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最悪な目覚めと味方ページ20

『いってえええええ！！！』

ぼんやりとした頭で、台の下に布団を敷き眠ったことを思い出す。台を押して起き上がり、立ち上がる

『ぎゃぁぁぁっいったい！いたい！！いてえええ！』

布団の周りにはたくさんのねずみ捕り。
激痛が走る。
一気に頭が覚めました。
朝から私の屋敷には私のうるさい悲鳴が響き渡りました。
陽の光を浴びようと縁側の戸をスパン！と開く

『ぎぇえぇぇ！！！』

縁側に座っていたのは伊黒さん。驚きのあまり思いっきり尻もちをつきました。

｢朝から騒がしい。だいたい馬鹿なんじゃないのか、起きて数秒うるさい悲鳴をあげるほどの準備をして眠ったのなら、すぐに理解できるだろうが。｣

朝から激痛、そして伊黒さんのネチネチ攻撃。
あー、最悪な朝ですな！清々しいのは太陽だけだ！

｢今日はお前の味方だ。だからここに来ている。しょうがなく味方をしてやるんだ。勘違いするな。｣
『最後の2言余計じゃないすか』
｢なんか言ったか｣
『...なにも...』

うん、怖いよ！怖い！朝からそんな睨まないでくれません？

｢お前は最近朝から忙しいだろう。ここに俺がいればゆっくりできるだろうと思って来てやったまでだ。｣
『えっ、優しいじゃないすか』
｢手伝いの延長だ。勘違いするな。｣

かっこよ。かっこよ。今んとこ柱の中で1番好感度高いぞ。
...あ、ストーカー...思い出してまたグーンと下がったわ。

『あ、そうだ、伊黒さんの好物聞いていいですか』
｢とろろ昆布だ。｣
『あ、ありますよ。朝餉は食べましたか？』
｢食べていない｣
『よし、食べましょう。屋敷入ってください！』

わー、こうやってしっかりご飯振る舞うのは初めてだぁ。緊張緊張！

｢...なんだこれは。｣
『あー。ねずみ捕りです。不法侵入者が出ても大丈夫なようにねずみ捕りを設置しました。』

伊黒さんが盛大なため息をついてた。
あはは！ま、慣れてます。

『はーい！朝餉完成しましたぁ！とろろ昆布、しっかり使いましたよ。そのまま食べたかった時のために別皿にも出しておきました』

わぁ、目輝かせてるぅ。こんな表情の伊黒さん初めて見たぞ

｢お前は意外と料理が出来るのだな。見た目も味もいいと思う。ここはしっかり女で安心した。｣
『え？私ずっと女じゃないですか！？』
｢汚くうるさい叫び声にさらに口悪いと来てほんとに女かと疑った。だいたいお前は...｣
『わかりましたって！』

さあて、今日も追いかけっこ頑張りましょう。
...今日で恐らく5日目だ。