キミの帰るべき場所 (ページ19)

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虜ページ19

JS side

ついに、僕たち8人の初ステージがきた。

舞台袖で硬くなっているAヒョンが視界に入る。

HC 「A、緊張しすぎ。深呼吸して〜、ヒッヒッフー」

CL 「いや、それ出産にする呼吸法」

Aヒョンの小さな歓迎会パーティーをしたあの日から、2人の距離がやたら近くなったと僕は思う。

それは僕だけじゃなくて、他のヒョンも思ってるみたい。

JM 「…」

JN 「そんな顔しないの」

ジェミニヒョンなんか、ムスッとした表情で2人を見ている。

『準備お願いしまーす』

ステージに移動している途中、僕の前を歩いていたAヒョンが足を止めた。

JS 「ヒョン？」

何かあったのか後ろから呼びかけるも、返事が返ってこない。
後ろから覗いてみると、彼は首にかけた小さな十字架にキスをしていた。

まるで映画のワンシーンのように

《母さん、僕を守って》

JS 「ヒョン、大丈夫ですか？」

「うん、大丈夫だよ。心配かけてごめん」

JS 「大丈夫なら良かった。それ…」

「これ？僕のお守り。内緒でつけてるんだ」

JS 「そうなんですね」

「チソンくん」

初めて名前を呼ばれた。
それは、時が止まったような感覚。

「このことは、2人だけの秘密ね」

無邪気に微笑むあなたに、僕は虜になった。