桜並木とソフトクリーム ページ20
〜人間界・桜並木〜
妖魔界も人間界も春一色に染まり、桜の花がヒラヒラと舞い散る。
恋人や家族連れが集まる桜の並木道に、俺と桜オロチはやってきた。
俺はデートのつもりなのだが、桜オロチは友人同士の付き合いのように考えているようで、無防備な姿をさらしている。
チラリと桜オロチの姿を盗み見ると、彼は美味しそうにソフトクリームを頬張っている。
先程店で買った、期間限定の桜味のものだ。
ペロペロと赤い舌をのぞかせて食べるその姿はとても愛らしく、そのまま襲いたくなる衝動にかられる。
それをグッとこらえながら桜オロチを見続けると、その視線に気がついたのか、桜オロチがこちらを向く。
しまった、どう言い訳をしようか。
こちらに気づかれたことに俺が焦りを覚えていると、桜オロチはスッとソフトクリームを差し出す。
「・・・食べるか?」
どうやらソフトクリームに興味があるととったらしい。
そうじゃないんだが・・・と思ったが、こちらとしては都合がいいので訂正はしないでおく。
せっかくなので俺もソフトクリームを少しもらおうと思い顔を近づけ、ふとあることを思いつく。
俺は差し出されたソフトクリームではなく、それを持つ腕をつかみぐいと引っ張った。
突然のことに反応できず、桜オロチはバランスを崩す。
そしてこちらに倒れこむ直前、俺は桜オロチにキスをした。
ペロリと唇を舐めると、ソフトクリームの甘さを感じる。
本当はもっとしていたいのだがこれ以上はやめておいたほうがいいだろう。
名残惜しげに唇を離すと、桜オロチの真っ赤な顔が見えた。
「ん?どうした?」
その理由を知っておきながら俺は意地悪くそう問いかける。
すると桜オロチはワナワナと肩を震わせ、小声で「誰かに見られたらどうするんだ!」と叱りつけてきた。
俺はニヤニヤと笑うだけで何も言わない。
そんなに怒らなくても、見られることは絶対にないのに。
そんな俺の態度に再び何かを言おうとした桜オロチだったが、ふとあることに気づく。
先ほどまで聞こえていた子供の声や若い男女の声が聞こえない。
それどころか、地に落ちるはずの桜の花びらが空中で静止している。
「時間を止めたのか・・・」
どこかホッとした様子で桜オロチは呟いた。
「当たり前だ。誰がお前の可愛いところを見せるか。その顔を知ってるのは、俺だけで十分なんだよ。」
- 金 運: ★☆☆☆☆
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咲羅 - ダークネスさん» いえいえ。此方こそ、面白いお話を有難う御座います。 (2018年4月30日 11時) (レス) id: 62b969790e (このIDを非表示/違反報告)
ダークネス(プロフ) - 咲羅さん» キュウビさんの話書きました!酒呑童子さんはまた時間のある時に書こうかなと思っております。リクエスト本当にありがとうございます! (2018年4月29日 13時) (レス) id: 0ae8251604 (このIDを非表示/違反報告)
咲羅 - ダークネスさん» 有難う御座います。では、楽しみにしていますね。 (2018年4月29日 10時) (レス) id: 4f15c0ec6f (このIDを非表示/違反報告)
ダークネス(プロフ) - 咲羅さん» 返信が遅くなってしまい、申し訳ありません。リクエストありがとうございます。明日の夕方辺りに更新できるように頑張りますので、もうしばらくお待ちください。 (2018年4月28日 20時) (レス) id: 0ae8251604 (このIDを非表示/違反報告)
咲羅 - リクエスト、宜しいでしょうか?キュウビさん、若しくは酒呑童子さんの小説をお願いしたく……… お忙しい中でしょうから、お時間の許す限りで構いません。何卒宜しくお願い致します。 (2018年4月26日 21時) (レス) id: d25df455c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ダークネス | 作成日時:2018年2月11日 10時