8輪*すごい人 ページ8
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side:you
「た、卓ちゃんって……」
なんとまぁ……
中島選手、そんな呼ばれ方してるんだ。
愛されてるんだなぁ。
「Aほんとに知らないの? 卓ちゃんはファイターズの中なら、大谷くんより女性人気は高いんだから」
「大谷くんって……大谷翔平さん……?!」
そう言うと、西崎ちゃんは
あ、流石に大谷翔平は知ってるんだ、と笑った。
一応、こくりと頷く。
って言っても、大谷翔平さんって名前は
なんとなーーーく、超なんとなく、
聞いた事あるなっていう程度で。
昨日の雑誌に中島選手よりおっきく
特集を組まれていたから、とにかく
すっっっごい人なんだ、ってだけだけど。
……そうか。
中島卓也選手は、
そんな大谷翔平選手よりも女性人気があるんだ。
って事は、とてつもないんじゃ……っ?!
「……で、その中島卓也がどうしたの?」
「あー……う、ううんっ。昨日ニュースで見て、誰なのかなぁって」
……流石に、昨日マンションの通路で
出会いました、なんて言える訳ない。
雑誌を見る前ならともかく、
どれだけ凄い人なのか、もうなんとなく
わかってしまったから。
そんな人と少しの間とはいえ、会って話した、
なんて恐れ多くて言えないよ……っ。
「ふぅん、そっか。……じゃあさ、」
突然、西崎ちゃんがずずいっと
詰め寄ってきたかと思うと……
「試合、見に行こうよ!」
私に向けられた、にんまりとした笑顔の下に、
いつの間に取り出したのか、
……ヒラヒラっと二枚のチケットが。
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「うわぁ……なに、これ」
「人だよ、人! 人のゴミ!」
西崎ちゃんの押しに負けて、結局、その週末の
野球観戦に連れてこられてしまった私です。
右も左も、前も後ろも、
どこを向いても人でいっぱい。
人混みが苦手な私は、思わず顔を顰めると、
ほら行くよ、と西崎ちゃんに腕を引かれて。
慣れたように進んでいく西崎ちゃんの後を
必死に着いていくと、やっと、席に辿り着いた。
「……あっほら! あそこでストレッチしてるのが、中島卓也!」
「え、」
どこどこ、と目を凝らして見ると、
……あ、いた。多分、あれだ。
──……本当に野球選手なんだ。
疑ってた訳じゃないけれど、
やっぱり改めて感じさせられる。
プレーしてる姿を見ると、
やっぱりずっと遠くの人な感じがして、
ほんの数日前、
出会って話した事が嘘みたい……だな。
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雛(プロフ) - こばさん» こばさん初めまして^^* わわわ、ありがとうございますっ(*´ω`*) きゅんきゅんしてもらいたくて書いているので、そう言って頂けると凄く嬉しいです!! 是非これからもよろしくしてやって下さい〜(;;) (2017年7月25日 18時) (レス) id: cd2200b77f (このIDを非表示/違反報告)
こば(プロフ) - 初めましてです!この作品すごい、大好きです(o^^o)めっちゃキュンキュンします(o^^o)これからも応援してます! (2017年7月25日 0時) (レス) id: 7ad089bd9c (このIDを非表示/違反報告)
雛(プロフ) - ちあさ〜ん( ´ ▽ ` )ノコメントありがとうございます! とっても嬉しいです^^* またこちらからも、ちあさんのお話読みに行かせて頂きますね〜* (2017年6月28日 22時) (レス) id: 62adc32062 (このIDを非表示/違反報告)
chia(プロフ) - 雛さん〜!ちあです◎卓さんのお話、ようやく読めました。二人の距離が少しずつ少しずつ縮まっていく様子ににやりとしてます。優しい卓さんが素敵です*更新頑張ってくださいね(*`・・´*) (2017年6月26日 5時) (レス) id: a31e2faf9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雛* | 作成日時:2017年6月18日 17時