43輪*バレてる? ページ43
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side:you
「いらっしゃいま……あ、遥輝さん」
何日か経った頃に、いつものバイト先で
レジ打ちをしていると、現れたのは遥輝さん。
……何だかデジャブる光景に、もしかして……
って思って遥輝さんの後ろを伺ったけど。
「残念。今日は卓さんはおらんよ」
「え、」
……遥輝さん、完全に私の心を
見透かしていらっしゃる……っ。
っていうか、じゃあ何でわざわざ……?
「これ、返しにきたんやわ」
「あぁ……じゃあそこのポストに入れておいてもらえたら」
遥輝さんは私の言葉通り、5日程前に
借りていったCDを返却すると、
そのまま帰……らないみたい。
「なぁ、バイト何時に上がり?」
「え……と、今日はあと15分で、」
「じゃあ終わったらすぐ出てきて。待っとるから」
は……?
いやいや、これはもうデジャブとかそんな類
じゃないって。今度は遥輝さん……?
なに、この状況はっ?!
「あかん?」
「や、……わかりました、けど、」
戸惑い過ぎて歯切れの悪い返事をしていると、
じゃあ決まりな、待っとるから、と。
遥輝さんは実に爽やかな笑顔を向けて、
店の外へ出ていってしまった。
……はい、私、
全くもって頭が追い付いてないです。
とりあえずバイトを終わらせてお店を出たら、
お店の脇で遥輝さんが待っていた訳ですが。
「お疲れ」
「お疲れ様です……じゃなくてっ!」
いきなり何ですか、と遥輝さんの顔を見詰める。
戸惑った私の様子を見て、遥輝さんは
まぁまぁ、とちょっと可笑しそうに苦笑いした。
……遥輝さんってなんだろう。
正直めちゃくちゃ、かっこいい。
卓さんもかっこいいと言えばかっこいいけど、
可愛い要素の方が多いし。それに比べて
遥輝さんは、とにかくスマートでかっこいい。
それはそれは、かっこいい。
…………でもやっぱり、遥輝さんに靡くとか、
そういう事はない訳で。
(そういう立場でもないわけで)
「卓さんの事なんやけど、」
「へ、……え、あ」
遥輝さんの口から飛び出た意外な名前に、
思わず阿呆みたいに、た、卓さん? と
聞き返してしまったけど……やばいぞ、
この反応は動揺しすぎでしょ、私っ。
「……ふぅん」
「な、何ですか、」
「Aちゃん、卓さんの事どう思っとる?」
…………やばい、これは。
遥輝さん、含み笑いしてるし、ちょっと
からかうような口調だし……。
遥輝さんには、全部、バレてる……よねこれは。
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雛(プロフ) - こばさん» こばさん初めまして^^* わわわ、ありがとうございますっ(*´ω`*) きゅんきゅんしてもらいたくて書いているので、そう言って頂けると凄く嬉しいです!! 是非これからもよろしくしてやって下さい〜(;;) (2017年7月25日 18時) (レス) id: cd2200b77f (このIDを非表示/違反報告)
こば(プロフ) - 初めましてです!この作品すごい、大好きです(o^^o)めっちゃキュンキュンします(o^^o)これからも応援してます! (2017年7月25日 0時) (レス) id: 7ad089bd9c (このIDを非表示/違反報告)
雛(プロフ) - ちあさ〜ん( ´ ▽ ` )ノコメントありがとうございます! とっても嬉しいです^^* またこちらからも、ちあさんのお話読みに行かせて頂きますね〜* (2017年6月28日 22時) (レス) id: 62adc32062 (このIDを非表示/違反報告)
chia(プロフ) - 雛さん〜!ちあです◎卓さんのお話、ようやく読めました。二人の距離が少しずつ少しずつ縮まっていく様子ににやりとしてます。優しい卓さんが素敵です*更新頑張ってくださいね(*`・・´*) (2017年6月26日 5時) (レス) id: a31e2faf9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雛* | 作成日時:2017年6月18日 17時