*ﾟスミレの花をあなたへ F9

４１輪＊日付をまたいで ページ41

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side:he




A卓さんの大ファン第1号になってもいいですか?



……なん、それ。

……Aちゃん可愛すぎん？



スマホを片手に、うわと思わず口元を押さえる。
今は部屋に1人きりだから、誰に見られる訳でも
ないけど、とりあえず緩んだ口元を隠したくて。


ファン第１号にはならんかったから、
じゃあ大ファン第１号とか……そんなん、
いいですか？ って聞く前に、勝手になれよ。

……なってほしいに、決まってる。



当たり前。なってよ



そう送信すれば、もうAちゃんからの
返信は返ってこなくて。

……これで会話終わりって見なされた、かな。
まぁいつも、そんなに長い会話はしないし、
こんなもんか。と1人で納得したけど、

……よく見てみれば、既読すらもついてない。



(こりゃ寝たな……)



ちょっと拍子抜けはしたけれど。
……すやすや眠りについてるAちゃんの
寝顔を思い浮かべたら、怒る気なんて
さらさらなくて。……寧ろ、眠い時間にいつも
LINE送ってしまってごめん、って申し訳なかった。



おやすみ



一言、それだけ付け加えて。


俺もAちゃんと同じように、
眠りについたのだった。





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side:you




卓也当たり前。なってよ
おやすみ



目が覚めたら、何をするより先に、スマホに
手を伸ばして、緑のアイコンをタップして。

……どうしよう、口が、緩む。

昨日はあんな事を言ってしまったのが
恥ずかしくて、ええいもう！ って、そのまま
無理矢理眠りについてしまったけど。


やっぱ寝なきゃ良かった、かな。
寝なかったら、もうちょっとでも、
卓さんと会話続けられてたかも、とか。



おはようございます



とりあえずそれだけ送って、
……大ファン第１号の件には触れないように。
(だってあんなの、恥ずかしすぎたしっ)



そのまま着替えて大学に行く準備をし終えて、
さぁ家を出ようとした時に……また、ぴこん、と
LINEの通知音が私の足を止めた。



卓也おはよう、俺の大ファン第1号さん



(……っ！)


あぁもう、卓さんって……卓さんって……、




(そんな事言われちゃ、)
(ドキドキするのも、仕方ないです)





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