２５輪＊自覚 ページ25
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side:you
「う……え、わ、私……そんな事っ」
「可愛かったよ？ Aちゃん」
卓さんの声は明らかにからかってる時のそれ
だけど、あんな話を聞いた後で、しれっと
「可愛かった」なんて言われたら、
恥ずかしくて顔から火が出そう……っ。
あぁ〜もう。真っ赤に染まる顔を卓さんに
見られないように、私はただただ俯いて、
爪先を見つめながら歩いた。
あ、卓さんの靴……可愛い。
このデザインは、多分遥輝さんの趣味だな？
……なんて、そんな呑気な事を考えていたら。
ピタ、と突然可愛いスニーカーが立ち止まった。
「Aちゃん危ない」
「……え、」
不意に耳元で囁かれたと思うと、
力強い腕に右手を掴まれ、腰を引き寄せられ、
フワッと身体が抱き寄せられた……感触。
抱き寄せられた事なんて、数える程しかない
私だけど、その感触はそれだと、
すぐにわかった。……だって、卓さんの匂いが、
……目の前に広がって……る。
スローモーションに見えた目の前の光景が、
徐々に元の速さに戻って。そうしたら、
大きなトラックが、私のすぐ横すれすれを
騒々しい音を立てて通り過ぎて行った。
遅れて、ブォッと風が巻き起こって、
……あ、やばい、私轢かれかけたんだ。
って、その時やっと、理解した。
「た、卓さん……」
轢かれかけて、卓さんが助けてくれたんだって。
抱き寄せられた肩が、じんじんと熱を帯びる。
ドキドキと、鼓動が速く音を刻む。
……この音、卓さんに聞こえてない……よね。
「ごめん、俺の配慮が足りんかった。こっち側歩きな」
そう言って優しく、私を歩道側に促して、
自分は車道側に回る卓さん。
……そんな動作の一つ一つに、卓さんの
優しさが溢れてる。配慮が足りなかった、なんて
そんな事、全然ない。
「あ、……りがとう、ございます」
「なんも。大丈夫やった？」
──……なんでそんな優しいの。
卓さん、ねぇ……卓さん。
(……私、大丈夫じゃないや、)
とくん、と水が波打つように、
心臓が静かに……でも確かに脈打つ。
それは、自然な鼓動なんかじゃない。
間違いなく、卓さんが鳴らさせた。
……それなら、この気持ちは、きっと。
──自覚は、すんなりだった。
それはまるで、
ずっと昔からわかっていた事のように、
……受け入れるのに時間は一瞬も必要なくて。
私、
(──……卓さんの事、
好きになっちゃった……かも)
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雛(プロフ) - こばさん» こばさん初めまして^^* わわわ、ありがとうございますっ(*´ω`*) きゅんきゅんしてもらいたくて書いているので、そう言って頂けると凄く嬉しいです！！ 是非これからもよろしくしてやって下さい〜(；；) (2017年7月25日 18時) (
レス) id: cd2200b77f (このIDを非表示/違反報告)
こば(プロフ) - 初めましてです！この作品すごい、大好きです(o^^o)めっちゃキュンキュンします(o^^o)これからも応援してます！ (2017年7月25日 0時) (レス) id: 7ad089bd9c (このIDを非表示/違反報告)
雛(プロフ) - ちあさ〜ん( ´ ▽ ` )ﾉコメントありがとうございます！ とっても嬉しいです^^* またこちらからも、ちあさんのお話読みに行かせて頂きますね〜* (2017年6月28日 22時) (レス) id: 62adc32062 (このIDを非表示/違反報告)
chia(プロフ) - 雛さん〜！ちあです◎卓さんのお話、ようやく読めました。二人の距離が少しずつ少しずつ縮まっていく様子ににやりとしてます。優しい卓さんが素敵です＊更新頑張ってくださいね(*｀･･´*) (2017年6月26日 5時) (レス) id: a31e2faf9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雛*
| 作成日時：2017年6月18日 17時
