２輪＊淡い期待 ページ2
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「卓さん？ ……たーくさん？」
「……ん、あ……遥輝、」
試合後、ふと、あの日の歌声が脳裏に過ぎって、
記憶に吸い込まれるように思いを馳せていると、
いつの間にか頭が留守になっていたみたい。
遥輝に顔を覗き込まれて、ハッと我に返ると、
……あれ、俺ら以外、ロッカーにもう人おらんし。
「大丈夫すか？ ぼーっとして」
「おう、大丈夫大丈夫」
そう言いつつも、未だにあの夕方の事に
心を奪われたみたいで、暫く放心状態だった。
「……もうひと月も経っとんのにな」
まだ、考えてしまう。
なんて事のない夕暮れ時の、
なんて事のない普通の人の歌声だと、
思うんだけど。
そんななんて事のない日常の一コマに、
なんで俺はそんなに拘っているんだろう。
……どうして、あの歌声を、もう一度聞きたいと、
思ってしまうんだろう。
「なんすか？ 卓さん失恋っすか？」
「……なんでそうなると？」
「いやだって……�爐發Δ劼鳩遒盞个辰箸鵑里豊瓩辰董�
彼女と別れてひと月経ったんに忘れられん、
とかかと思って……と、ニヤけながら
頭を掻く遥輝に、俺はふっと吹き出した。
「違うわ」
「えー、そうなんすか？」
失恋、か……。
そんなの、俺には無縁だな。
そもそも、�猯��畆�体、
今の俺には遠い存在な気がする。
そう思って、ふ、と溜息を吐くと、
試合の疲れが一気に押し寄せてきた。
「……行くか」
「そっすね」
.
車をマンションの駐車スペースに止め、車を降りる。
エレベーターに乗り込もうとした所で、
(……げっ)
顔を顰めたのは、その扉に故障中の張り紙が
してあるのに気が付いたから。
「マジか……」
……仕方ない、階段使うか。
シーズンが始まったばかりなのに、
試合後の疲れは非日常的な程。
部屋への階段を上る足取りが、
有り得ないくらい重いし。
ふと、意味もなく空を見上げると、
……あ、真ん中に白い月。
……じゃなくて、天井の明かりなんだけど。
あの日は夕暮れ時だったけれど、
身体の疲れと白っぽい明かりに、
……これは、もしかして、
なんとなくあの日と重なる？
「……なんて、結構こじつけよな」
呆れるような自分の思考に、
自嘲気味に鼻で笑った。
───……けど。
俺のちょっとした淡い期待を、
現実は、裏切らなかった。
……そう、聞こえたんだ。
あの……歌が。
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雛(プロフ) - こばさん» こばさん初めまして^^* わわわ、ありがとうございますっ(*´ω`*) きゅんきゅんしてもらいたくて書いているので、そう言って頂けると凄く嬉しいです！！ 是非これからもよろしくしてやって下さい〜(；；) (2017年7月25日 18時) (
レス) id: cd2200b77f (このIDを非表示/違反報告)
こば(プロフ) - 初めましてです！この作品すごい、大好きです(o^^o)めっちゃキュンキュンします(o^^o)これからも応援してます！ (2017年7月25日 0時) (レス) id: 7ad089bd9c (このIDを非表示/違反報告)
雛(プロフ) - ちあさ〜ん( ´ ▽ ` )ﾉコメントありがとうございます！ とっても嬉しいです^^* またこちらからも、ちあさんのお話読みに行かせて頂きますね〜* (2017年6月28日 22時) (レス) id: 62adc32062 (このIDを非表示/違反報告)
chia(プロフ) - 雛さん〜！ちあです◎卓さんのお話、ようやく読めました。二人の距離が少しずつ少しずつ縮まっていく様子ににやりとしてます。優しい卓さんが素敵です＊更新頑張ってくださいね(*｀･･´*) (2017年6月26日 5時) (レス) id: a31e2faf9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雛*
| 作成日時：2017年6月18日 17時
