【HQ】狐は欺くのがお上手なようです 〜2.夏合宿編〜

狐が52匹通りゃんせ ページ8

〜貴方side〜


夏休み東京遠征の日。
夜に出発した吉根原。相変わらず賑やかだったよ、うん。しばらくしたら皆寝てたけど。



目が覚めたら見事埼玉に到着。
今日からバレーづくしの1週間。そして、俺の腕には包帯。まぁ、これで分かるよね？

黒尾「あれ、Aくん、また骨折？ 今度は右側か」

そう。この俺。少し前に骨折しました☆

刑部「ホント、Aの骨ってすごい。今回はちょうど3ヶ月とか」

生石「ヤベーよな」

林原「Aさんって、利き手骨折しても不自由なく生活していて凄いです！」

『だろ〜？ 俺だからこそできること、なんてね』

研磨「…腕、大丈夫？ いつ治るの？」

やばい、やっぱ研磨可愛い。

『腕は全然だいじょーぶ。明日か明後日には治ってるかな』

生石「折れやすいくせしやがって治りはクソはえーからな」

刑部「マジ謎」

山田「謎の塊的な？」

『それはないよね』

喋っていると、体育館についた。

天津宮「吉根原です！ 1週間よろしくお願いします！」

吉根山「「「お願いします！」」」

しゅしょーの言葉の後に続いて言う。
向こうからも返事が返ってくる。まぁ、当たり前だよね〜。

黒尾「…なぁ、アイツ誰？」

『ん？』

クロさんの指差す方を見る。そこには…

『あー。一言で言うと素晴らしいほどのバカですよ』

黒尾「え」

研磨「…ウソでしょ」

『見た目詐欺ですね』

その先輩は、小塚 三郎さん。一人っ子なのに三。長男なのに三な先輩。デコの真ん中にホクロがあって、しかも糸目だから見た目仏なんだよね。音駒の人に負けないくらいの。
だけど、それは見た目の話。

小塚「この前さ、サイを埼玉で見たぜ！」

黒尾/研磨「…」

やばい。一部の空気が凍ってるんだけど。

林原「そうなんですか！？ 俺、埼玉は始めてきました！」

黒尾/研磨「…」

ダジャレだと気づいてない人約1名。

黒尾「マジで吉根原ナゾ。マジで見た目詐欺」

研磨「ウチの仏と全然違う…」←

しかも、あの先輩。実は…

天津宮「三郎さん、そろそろ用意し始めてくださいね」

水原「もうすぐ試合開始ですから」

研磨「…もしかして」

黒尾「留年生…？」

『正解でーす』

留年といっても一年だけだけど。いやぁ、あの人英語だけは凄い点数なんだけどね。ほかダメダメなんだよね。なんで英語なんだよって感じ。

研磨「…人は見た目で判断してはいけないね」

黒尾「あんなに違うことってあんだな」

マジそれな。

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