【HQ】狐は欺くのがお上手なようです 〜2.夏合宿編〜

狐が90匹通りゃんせ ページ48

林原「チームとしてのトップ3ってどこなんですか？」

こいつ……分かって聞いてんのか？

黒尾「さっきも言ったように、サクサのいる井闥山。そんで……お前ら吉根原。あとは、四国の」

『狼ノ山』

黒尾「！」

いつの間に…！

『狼ノ山…俺らがIHで負けたところ』

林原「…あっこですか」

イヤそうな顔を見せる林原、だっけか？ まぁ、デコ野郎。

日向「おぉ…！ お前んところ、チームとしてトップ3に入ってんのか！ 凄えな！」

林原「初耳！」

マジか。これまた有名だと思うんだけどな。

木兎「そのオオカミノヤマって強えの？」

『はい。それに、俺らと相性悪いんですよ』

日向「なんでですか？」

『…言うのはイヤだな。攻略されそうで怖い』

林原「攻略された時のために新しい技してるんじゃありませんっけ？」

『うっ』

分かった、デコくん。キミは天然系だな。

『そ、そうだけど…』

リエ「教えてくださいよー！」

イヤそうな顔を一瞬したAくん。どんだけイヤなんだか。

『……烏野よりも梟谷よりも攻撃型のチームなんだよ、狼なだけあって』

超攻撃型チームってわけか。

『単細胞の集まりって言うか…スパイクやサーブが決まるたびにテンションが上がっていく厄介なチーム』

フルセットになるとマズイタイプだな、そりゃあ。

『…吉根原は、魅せるチームなんだ。確かに攻撃も強いと思うし、守備も凄いと思う』

自分で言っちゃうの、それ。事実だけども。

『ソレにプラス、綺麗に…相手が見入ってしまって動けないくらい綺麗にするのが吉根原のプレイスタイル。

まぁ、
相手に一切悟られぬよう欺いて、
正確な判断がつかないほど惑わして、
力みすぎたりトスを速くさせるほど焦らせるんだ』

怖いな、吉根原。怖すぎるだろ、吉根原。

『だけど、狼ノ山はそんなの一切気にしない。もう、単細胞で天然な奴らばっかだからウザいほど挑発のらないし、ウザいほどうるさい』

単細胞で天然ってウザすぎじゃん。木兎よりも上いくんじゃね？ しかもそれが十数人いるんだろ？

…ヤベ、当たりたくねえ。

『だから、見てくれない。欺かせてくれない。惑わせない。焦っては……くれるかな、うん』

あ、焦ってはくれるんだ。

『まぁ、そんなチーム。だから、マジやりにくい。けど、絶対に当たる相手。去年の全国大会では勝てたんだけど…今年のIHじゃあ負けた。先輩ら2人は、必ずリベンジしてやるって意気込みで残ってるんだ』

へぇ。因縁の相手、ってわけか。

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