【HQ】狐は欺くのがお上手なようです 〜2.夏合宿編〜

狐が88匹通りゃんせ ページ46

『ごめんあそばせ』

猿杙「あ、吉根原の…」

やっくんが気づいたやっちゃんの危機。俺は、救世主になろう、うん。

『やっちゃん。おいで』

優しい笑顔で優しい口調で。これが、怯えられないコツね。ほら、やっちゃんも顔輝かしてるよ。

谷地「しゃ、シャチ！」

ん？ シャチ…？
超速いスピードで来たやっちゃんに、さっきとってきたお肉の入った皿を渡す。

『お肉取れなくて困ってたんでしょ？ これ、あげる』

谷地「ぇ、で、でもAさんの分は…？」

『あー、俺、肉じゃなくて魚派だから。だからと言って焼き魚はあまり好きじゃないな。お寿司大好き、刺身サイコー』

谷地「ぁ、あり、ありがとうございます！」

それだけ言って立ち去る俺…

『カッコよくね？』

狸玖「今ので台無し」

『あ、狸玖いたんだ』

狸玖「俺が取ろうとした肉を全部取られたからな」

『わぁ、怖〜い』

狸玖「そうだ、食べ物の恨みは怖いぞ」

やば、逃げないと。命の危機を感じたぞ。
逃げた先にいたのは女子軍団。ふっふー。この俺がその中に入ってやろうじゃないの。

『ちゃおちゃお〜』

清水「あ、Aくん」

白福「やほやほ〜」

うん、雪ちゃんはノリが良いね。そういう子、好きだよ。

小鹿谷「俺はあっちに囲まれてぇ」

千鹿谷「…あっこに1人、男子紛れてるんですよね、全く見えないんですけど」

だろだろ？ 俺は女子の中に溶け込むの得意だからな！←

大滝「烏野の三年生ってしっかりしてそうですよね」

『それ思った』

うちの3年……
瞬さんは努力家で良い先輩だけど、メンタル弱いしすぐ泣く。

水原さんはブロックになると超頼りになるけど、普段の生活じゃあ頼りにならないしむしろ頼られてる。

小塚さんは………論外だな、うん。
いや、あの先輩も良いっちゃ良いんだよ？ アドバイスくれるし、料理できるし。だけど、だけどね。顔と性格と声が違うってことだけで全てが台無しなの。

清水「エースはメンタル弱いけどね」

生川「え？ そうなの？ あんなに怖そうなのに？」

日和「初めて見たとき、ビックリしました…」

雀田「でも単細胞エースよりは良いと思うな…」

そう言って見つめた先には、木兎さんにオレンジくん、忠ちゃん。あー、忠ちゃんとオレンジくんって気が合いそう。忠ちゃんもどっちかってと単細胞だからな。まぁ、扱いやすいから良いんだけど。

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