【HQ】狐は欺くのがお上手なようです 〜2.夏合宿編〜

狐が66匹通りゃんせ ページ23

黒尾「あ”っ…」

ピッ

ブロックアウトを狙う。

『イェーイ！ ナイストス、狸玖』

生石「おう！ Aもナイスブロックアウト」

黒尾「スパイクも打てちゃうワケね」

『残念でした〜！』

黒尾「…やっぱ腹立つわ〜」

セッターにレシーブさせる人って意外と多い。だから、俺は狸玖と練習した。お互いトスが打てるように、スパイクが打てるように。

刑部「相変わらずのハイスペックぶり」

『良いでしょー？ でも、菅ちゃんも結構なハイスペックぶりだよ』

トス打てるし、読みが超上手いし。
それに、やろうと思えば彼、スパイク打てちゃうんだよね。サーブ打てちゃうんだよね。
うち、たまにポジション変えて試合するんだよ。









音駒との試合も終盤。ただいま、22-15で吉根原がリード中。
サーブ権はサブさん。サブさんのプレイスタイルはちょっと特殊なんだよね。真似るのが大の得意でさ。

ピッ

小塚「よぉし」

日向「あ、アレって…！」

今のサーブも、青城の主将、及川さんの真似。
サブさんは基本、相手のワザを真似て攻撃するタイプ。3回見れば完璧に真似ができるらしい。

2回目、サブさんは俺のジャンフロの真似。でも、真似ができるからと言ってコントロールができるワケじゃない。リベロにとられた。

うちって、コントロール悪い奴多くね？

セッターがあげたのはクロさん。するとクロさんは1人時間差をしてきた。それに咄嗟に気づいた菅ちゃんはレシーブ。でも、弾かれてしまう。が、それをまたカバーしたのは狸玖。そのボールは後ろへ高く飛んでいく。

生石「A頼む！」

俺はボールを追いかける。そんで、バク宙でトス上げ。そのトスは速攻で狸玖が打ってくれる。

皆「！？」

黒尾「嘘だろ…」

『うぇ〜い』

生石「ナイストス！」

『狸玖もナイス！』

うん、狸玖とは幼馴染なだけあって通じ合うものがある。

生石「『打ってくれる/トスくれる って信じてた』」

拳と拳を合わせて笑い合う。

日向「…カッケェ」

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