佰漆拾壱頁─決戦 8─ ページ38
敦 Side
白鯨からフィッツジェラルドが消えた......いや、下へと落ちていってしまった。
僕等は勝ったのか...?
風の音だけが聞こえる中、僕は思わず放心状態に陥った。
しかし次の瞬間、今まで彼と闘っていた理由を思い出す。
「そうだ、制御端末!」
はっとしてフィッツジェラルドが居た場所に走り出そうとした。
だが踏み込んだと同時に足に何かが巻き付き、一歩も進めずに冷たい金属へとすっ転ぶ。
その拍子によく判らない情けない声が口からこぼれる。
「愚者め」
背後から疲労感が隠しきれていない声が聞こえた。
振り返らずともそれが誰のものかぐらい判る。
先刻、僕の足を止めて
「最後の攻撃の刹那、奴の背広から抜き取った」
「は、は、は早く止めないと!」
芥川から端末を受け取りその画面を確認する。
そこに表示されていた数字は3。
驚きのあまり飛び出た声が裏返る。
焦りで震える指を抑える余裕もなく、僕は急いで端末のスイッチを押す。
ピッと小さな音がし、減少を続けていた数字が止まった。
1と映し出されたまま停止した画面に、胸の中で様々な感情がじわじわと湧き上がるを感じた。
緊張の糸がプツンと切れ、それと入れ替わりで同量の安堵がなだれこんでくる。
はぁ...と疲れが溜まりこんだ息を深く長く吐き、とっくに限界を超えてふらふらになっていた足が膝から崩れ落ちた。
もう何もするやる気すら起こらないほどの脱力感が僕を襲う中、突如顎に鋭く重い痛みが走った。
それが芥川に蹴られたのだと理解するのに時間はかからなかった。
顎を蹴られたことによってその振動が頭全体を揺らし、僕は為す術もなく床へと倒れ込む。
「今直ぐ四つ裂きにしてやりたいが、生憎力を使い果たした。今は此れで我慢しておけ」
「お前...次会ったら覚えとけよ...」
頭を強く踏まれて上から聞こえてくる声に、悔しいが僕もそれに抵抗するほどの体力も気力も残っていなかった。
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まんじゅうねこ(プロフ) - 煉華☆さん» ゲームでの名前は其の侭「まんじゅうねこ」です!ありがとうございます! (2018年11月2日 17時) (レス) id: 5748b81071 (このIDを非表示/違反報告)
煉華☆(プロフ) - まんじゅうねこさん» 初めまして、こんにちは(*^^*) フレンドは大丈夫ですよ!「4555 8960 3456」←こちらでいけると思うので、ゲームでの名前を教えていただけると助かります。コメントありがとうございました! (2018年11月2日 17時) (レス) id: b70d4562c3 (このIDを非表示/違反報告)
まんじゅうねこ(プロフ) - すいません、文マヨのフレンド申請を送っても良いでしょうか……。 (2018年11月2日 16時) (レス) id: 5748b81071 (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - ありがとうございます!風花楓音で申請しました! (2018年9月30日 10時) (レス) id: cdcff714b1 (このIDを非表示/違反報告)
煉華☆(プロフ) - のんさん» こんにちは!大丈夫ですよ(*^^*) コメント欄にIDが書いてあるので、申請して貰えたら嬉しいです。 (2018年9月24日 14時) (レス) id: b70d4562c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:煉華 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/renka_kazetani
作成日時:2018年7月14日 17時