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67 後日談 ページ27

たまにはAの部屋にでも行ってみようと思い、Aの部屋に向かう。

部屋に着き、この屋敷の個人の部屋では珍しいドアをノックする。

『Aー? いるかー?』

そうドア越しに呼びかける。
が、返事はいつまで経っても返ってこない。

『入るぞー』

仕方がないので、入ると伝えてからドアを開ける。

中には誰もいなかった。

まるで最初からこの部屋は使われていなかったかのように空っぽ。

だが、ひとつ、机の上に紙が置いてあった。

覗いてみると、急いで書いたのか、走り書きでこう書いてあった。

「きゅうでごめんなさい 私たちは戻ります さよう」

と、「な」の書きかけ。

それを読んで、瞬時に理解した。

あぁ、そっか。もう会えないのか。

Aはここの生活も楽しんではいたようだが、いつも聖杯戦争が──とか、戻らなきゃ──とかを口にしていた。

だから、近いうちに戻ってしまうのは分かっていたが、やはり分かっていても悲しい。

いつか、会えるとしたら、鬼のいない世界で会いたい。








朝、まだ日も起きたばかりの時間に俺も起きる。

朝早くからパンをこね、焼く。
もう日課のように慣れたので眠くはなくなった。

そして6時半くらいになったら弟妹を起こす。
今日もなかなか起きてはくれなかった。
すぐに、というかもうとっくに起きていたらしい長女の禰豆子と共に起こし、学校に行く準備を手伝う。

行く時間が同じの禰豆子と家を出て、途中で別れる。

坂を上る。

すると、中学生と鉢合わせた。

制服からして禰豆子と同じ中学校か。

黒の髪を左で結び、丸い目をさらに丸くしている。

「…えと、おはようございます」

『あ、おはようございます…』

固まった空気を控えめに破壊するその声は、確かにあの子の声だ。
あの後禰豆子は人に戻れて、鬼は全部いなくなったよ、と言いたかった。

だが、覚えてないかもしれない。
無かったことになっているかもしれない。
違う世界なのかもしれない。

だから、敢えて言わなかった。
ここでまた再開出来て、挨拶を交わせたのはこの上ない奇跡なのだと、自分に言い聞かせる。

そして、春の道をゆく。






  完












ーーーー



へぶんず……ふぃぃぃぃぃぃぃぃぃる!!!



春は行っちゃったけどね!!

文字通り春はゆくだね!!

見てないけどね!!


……ね!!

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*Kano(プロフ) - ねづさん» 楽しかったと言ってもらえてすごく嬉しいです!!読んで頂き、ありがとうございました! (2020年6月21日 7時) (レス) id: 1d92094334 (このIDを非表示/違反報告)
ねづ - 完結おめでとうございます! 補足のところを見て成る程っと思いながらまた、読み返しました(笑)とても楽しかったです! (2020年6月20日 22時) (レス) id: f852e6ba2d (このIDを非表示/違反報告)
月兎 - 続編おめでとうございます!fateと鬼滅がコラボなんてとても美味しいです!更新頑張ってくださいね、楽しみにしてます! (2020年5月25日 11時) (レス) id: 6671492ea8 (このIDを非表示/違反報告)
ねづ - 続編おめでとうございます!!これからも頑張ってください!!! (2020年5月22日 21時) (レス) id: 2a8953498e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:*Kano | 作成日時:2020年5月22日 12時

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