【鬼滅の刃＆Ｆａｔｅ】 マスターですが、鬼殺隊入ろうと思います。

９　　き、騎士王様… ページ10

しばらく歩くこと数時間。すっかり日も沈みました。

『ま、禍々しい山…』

いかにもここ鬼います。って雰囲気醸し出してるよ。

「待ってくれ！ ちょっと待ってくれないか！」

「善逸？ どうしたんだ？」

「怖いんだよ！ 目的地が近づいてきてとても怖い！」

分かる。分かるわ。

『私、ここで待ってます。怖いんで。待ってます』

私は鬼殺隊以前にマスターなんだ。ここで死んだらセイバーも消えちゃうから、きっと許してくれる。

「そうですか。では、私達だけで行きましょう」

えっ。いやいや、万が一セイバーが死んじゃったら私どうやって生きてけばいいの？

『まってよセイバーぁ。私、セイバーがいないと心細いよぉ』

私にはもうセイバーしかいないんだよぅ！

「うっ、むぅ…分かりましたよ。どこまでも付いていくと、誓いましたしね」

『セイバー…』

お？セイバーが私を背負ってる？

『せ、セイバー？ もしかして、無理矢理連れて行こうとしてる？』

「はい」

そうですが何か？とでもいいたそうな顔でこっちを見てくる。ふざけんなよ。

そして、我妻さんの手をガシッと掴み、

「さぁ。行きましょう」

「は、はい」

怒ると怖いもんな。セイバー。

「セイバー、ありがたいけど無理矢理連れていくのは…」

「では、ここに置いて行かれるのと、みんなで山に入るの。どちらがいいですか？」

「『山に入ります！』」

「よろしい」

王には逆らえぬ。


お父さん、一回セイバーに「今日は断食する」って言ったら魂抜かれて、体を改造される夢を
見た。って言ってたっけ。もしかしたら、あれは死後の世界だったかも。とも言ってたな。

セイバーのご飯は抜いてはいけない。抜いたら死ぬ。って、覚えてた。
遠坂たるものなんとかかんとかっていうのよりも覚えてた。


「なぁ、なんか、人面蜘蛛がいるんだけどさ、みんな揃って泣きながら逃げてくんだけど」

『蜘蛛に人の顔が付いてるだけで潰せなくなりますよね』

蜘蛛に人の顔が付いてるって時点でどっかの会社とかに送るんだけど。

「蜘蛛、潰すの？」

『うん。お父さんは潰さず外に逃してあげてるけど、お母さんは見つけた瞬間潰してます』

「お母さん、怖いね」

『はい。お父さんの高校からの友達で、そのまんまの意味で一回殺されかけた。って言って
ました』

「え。そのまんまの、意味で」

ま、聖杯戦争中でしたし。


◇◇◇◇


一回消えました。

１０　蜘蛛の鬼　前編→←８　　鬼殺隊の任務

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す