Story 16. 「大都市“メトロポリス”」 ページ17
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──魔物たちの足音や唸り声が響き渡る地上とは一転。
空は、吹き抜ける風の音を除いてはどこまでも静かで、三人は大したハプニングも無く大都市へ辿り着いた。
もちろん第二都市から大都市までの距離がそう離れていない事もあったが、それにしては、少しばかり穏やかな道のりに感じたAである。
「(けれど、大都市……やっぱり、第二都市とそれほど大差ないような……)」
道を行き交う人々の数、立ち並ぶ店々と共に沸き上がる活気。頭上を突き抜けていくような高さをもつ石造りの建物も、立派なものだ。
強いて言うのであれば、この大都市が第二都市よりも仰々しく感じられるのは、辺りを守護団体がうろついている様をしょっちゅう見受けられるからだろうか。第二都市には一つとして見かけなかった制服が、ここではあちらそちらで認められる。
「──どうした。先の第二都市とこことがそう大差なくて、驚いたか?」
「えっ! い、いえ、その……何と言うか」
ぼんやりと街の景色を視界に入れていると、ふと凪斗から声を掛けられて我に返る。半分図星だったAは慌てて、苦笑いをしながら彼に言葉を返した。
「私達、以前にも一度、家族でこの都市を訪れた事がありますが──第二都市と比較すると、少し息が詰まるような感じがします」
第二都市へ訪れたのは今回が初めてだったので当時は全く気にならなかったが、同じ“都市”という感覚で見てみると、大都市は以前の自分が感じていた以上に空気が張り詰めているようだった。
「……ま、あからさまに物々しい団体様が堂々とうろつく街だからな。そんな状況下にあるから、あの住民たちの活気強さも見せかけのようなものだ」
一見して明るく見えるあの店々も、守護団体からの威圧をかき消して、どうにか忘れてしまいたいと無理をした結果なのだ。実際のところ、彼らは一日たりとも守護者たちの厳しい監視の目から解放されたような心地を覚えた事はないのだろう。
守護者たちも彼らの方で、ただ街を守るために辺りを見回っているだけなのだが、揃いも揃って仏頂面、鋭い視線は無実の住民達を萎縮させてしまっている始末。安心させたいどころか、却って恐れられてしまっているのだから、凪斗からしてみればとんだ御笑い種である。
「だが、俺達がここに居る奴等を気にする必要はない。俺達の目的はあくまでも、世界のどこかにあるアーラを見つけ出す事だ」
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フェイル(プロフ) - さにー☆彡さん» 初めまして! コメントありがとうございます! 細々と連載していくつもりでしたのでコメントをいただけるとは思わず、本当に嬉しいです! まだまだ勉強中ですので恐れ多い褒め言葉です;; 今後も頑張らせていただきます、よろしくお願いいたします! (2018年12月9日 21時) (
レス) id: de67700d03 (このIDを非表示/違反報告)
さにー☆彡(プロフ) - 初めまして、突然のコメント失礼致します。とても綺麗な文章に感銘を受けました……！ これからも陰ながら応援しています。更新頑張って下さい！ (2018年12月8日 9時) (レス) id: 632d3b069c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：フェイル | 作成日時：2018年12月1日 22時
