31st:水晶球と強盗再来 ページ33
「十月機関に連絡とれるか」
夜が明けるとすぐに、十六夜はスキピオにそう尋ねた。
「ああ、この水晶球に喋れと言われたが…どうしたのだ、急に」
「分かった。借りるぞ」
妙な水晶球を持って紫電改の主翼の下に戻り、精一杯怒鳴った。何故怒鳴ったのか自分でも未だ判然としない。水晶球をさほど信用していなかったというのが一番ありそうだ。
「おい十月ぅッ！こちら御門十六夜中佐、聞こえるか⁉」
「嬢ちゃん、声でかい‼」
通話に出たのはキャシディだった。言われて初めて自分の声の大きさに気付き、些か恥ずかしくなる。というか菅野の迷惑を少しは考えろよといつものことながら自分に向かって毒づきたくなるのだが、それはキャシディの手前流石に堪えた。取り敢えず声のトーンを落としてみる。まともな声に近づいた。気がする。
「済まん済まん。あれだ、例の手紙のことなんだけどな」
「手紙だぁ？…あー、山口の旦那からの!あれ、どうかしたか？」
「返事書くから、届けてくれねえか」
話のわかる強盗は快く引き受けてくれた。他の連中も、こいつらを見習ってもう少し寛容になって頂きたい。菅野とか菅野とか。
「じゃ、都合の良い日に来てくれ。無理なら十月機関の誰かに頼んででもいい」
「おう。嬢ちゃん、神さまに宜しくな」
話がまとまってやっと一息ついた十六夜は、愛機を開き、返事の原稿を書き始めた。
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猫目石(プロフ) - 再連載、めちゃくちゃ楽しみに気長に待ってますね (2022年2月11日 20時) (
レス) @page37 id: 5676b10c1c (このIDを非表示/違反報告)
如月れるは(プロフ) - 鳴海楓さん» 鳴海楓さん、初のコメントありがとうございます!今後も努力させて頂きます (2016年12月15日 19時) (レス) id: 2000723f72 (このIDを非表示/違反報告)
鳴海楓(プロフ) - いつも更新楽しみにしています(´∀｀*)これからも頑張ってください！ (2016年12月15日 18時) (レス) id: 686127b17a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：如月れるは | 作成日時：2016年11月21日 0時
