28th:鉄拳制裁と反抗期 ページ30
「おいチビ女」
「あぁ？」
何気無い菅野の一言が災厄の始まりであるとは、十六夜はまだ知らなかった。
「何で抜け出しやがった」
何を今更と笑いはしたが、内心冷や汗が止まらない。とりあえず平気な顔して建て前を述べた。それもまずかったのだが。
「言ってんだろ。他の漂流者のことを…」
途端に怒声が飛んだ。
「嘘吐きやがってこのバカヤロウ!分かんだよ、そん位は‼」
「な…何だよ」
もう本音のところを言わなければどうにもならないと覚悟を決めて、半ば自棄気味に言う。
「参謀は2人も要らん。なら私なんざ邪魔だろう。それだけだ」
それで沙汰止みになることを密かに期待していなかったでもなかった。
だがそんなに甘い奴ではやはりなかったのだ。
もういい叩き直すと菅野が低く呟いた直後であった。
「ーあッ⁉」
十六夜の喉から、子供に投げられ潰される蛙みたいなへんな声が出た。頰に衝撃が加えられて、一瞬視界がホワイトアウトしかけるのさえ感じる。
理解がやっと追いついて、兵学校仕込みの鉄拳制裁を食らったんだなと妙に冷静に考えた時には、お叱りが待っていた。
「なら何で戻って来やがったコノヤロウバカヤロウ‼どっちかにしやがれ迷惑なんだよ馬鹿女‼」
「分かってんだよ、このぉッ…!」
それ以上罵倒が続かず、何とか表情だけは歪まないように保って、十六夜はこの何処までも正しい奴を睨みつけた。
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猫目石(プロフ) - 再連載、めちゃくちゃ楽しみに気長に待ってますね (2022年2月11日 20時) (
レス) @page37 id: 5676b10c1c (このIDを非表示/違反報告)
如月れるは(プロフ) - 鳴海楓さん» 鳴海楓さん、初のコメントありがとうございます!今後も努力させて頂きます (2016年12月15日 19時) (レス) id: 2000723f72 (このIDを非表示/違反報告)
鳴海楓(プロフ) - いつも更新楽しみにしています(´∀｀*)これからも頑張ってください！ (2016年12月15日 18時) (レス) id: 686127b17a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：如月れるは | 作成日時：2016年11月21日 0時
