親友との再会 ページ2
『晴れて君達は2年生に進級した。クラス替えがあり、色々環境は変わったが、しっかり学問
に励み、友達との絆を深め、素晴らしいクラスにしていこう。私はこの一年このクラスの担
任をする古泉だよろしく。』パチパチパチと先生の自己紹介と意気込みが終わり、ダルそう
に拍手する生徒たち。皆の表情が、早く帰りたいと訴えかけてるのが分かる。
それもそうだ。今日は始業式だけで、昼に帰れるから先生の長話なんて聞きたくないのだろう。
『明日は土日。月曜日からの授業に備えてしっかり準備しておくように。では、解散ッ。』
ガタガタガタッ。話が終わった瞬間、クラスの皆が立ち上がり、一斉に教室の外へ飛び出した。
私も、皆と一緒に、廊下に出た。
すると、『あっ、栞菜!』と私を呼ぶ声がした。私は後ろを振り返った。
『詩織。』と呼ぶと、『あ〜ンッか.ん.なッ』と私に抱き着いてきた。
『詩織、いきなり抱き着くなんて、ビックリした。』
『だって、栞菜とせっかく同じ高校にはいったのに、1年生違うクラスになって離ればなれで、チョー寂しかったんだからッ!』と、抱きついたまま口を尖らせる詩織。
詩織は、同じ小学の親友。高校も同じところに行こうと、
無事同じ高校にはいれたのは良いが、クラスが別々で、話す機会も少なくなっており
私も寂しいと感じていた。だが、2年生になりクラス発表の紙を見たとき詩織の名前が同じクラス
に記されていて、とても嬉しかった。
『私も寂しかった。だから同じクラスになれて嬉しいよ、席は結構離れてるけど。』と、
ふっと笑みをこぼした。
すると詩織は、『きゃーっ栞菜が笑った!かっわいー!久しぶりに見れた!』と、
私から離れ、嬉しそうにはしゃいでいた。
『笑っただけで、どうしてそうはしゃぐの?笑うのはおかしなことじゃないでしょう?』
『いやいや、はしゃぐよ!栞菜っていっつも無表情で、何考えてんのか分かんないの。
そんな栞菜がふとした瞬間に笑うの見たら、そりゃたまらんでしょッ』
そう。私は、あまり感情を顔に出さない。感情がない訳じゃないけど、昔から無表情だった。
そんな私が表情を変えると、まあ面白い?のかも知れない。
『栞菜、もっと笑ったらいいのに。可愛いんだから、笑ったらもっと可愛くなるよ?私なんて、
しょっちゅう笑ったり、怒ったり、泣いたりで、大変だけど!』そう言って、ガハガハ笑う
詩織。
私達は、他愛ない会話をしながら家路を歩きわかれた。
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作者名:VISA | 作成日時:2018年2月20日 20時