【ブルーロック】夏の偶然【黒名蘭世】

タスク ページ20

Aside




見合い中




例の「せっかくだから2人で」的なアレを今やっている




「帰りたいですね」




『ですね』




当の本人達のテンションなんてこんなものだ




喫煙所で見合い相手と2人してパカパカ煙草を吸っている




『両家の親がいる前で話す内容の薄さと言ったら』




「わかります。俺、趣味ゲームなんですけど、映画鑑賞って言いましたもん」




『ゲームでも問題ないのでは？』




「ゲーオタってあんまりかなって。ってもう言っちゃいましたけど」




照れ笑いを浮かべる見合い相手




『オタク最高じゃないですか。何かに特化した話しを聞くのって新しい知識が増えるので楽しいですよ』




蘭世からサッカーの話しを聞いた時がまさにそうだったから



『それに経済はオタクが回していると個人的には思っているので感謝してます』




戯けながらそう言うと目の前の男はケラケラと笑い出した




「Aさん、なんかいいですね」




そりゃどうも




短くなった煙草を灰皿に押し潰し、もう１本を口に咥えライターで火をつけた




「Aさん、お綺麗ですよね」




『中身・内臓共に酷いもんですよ』




「中身は楽しい方だなって思いましたよ。それに煙草もお酒も付き合い程度なら良いのでは？」




ぁーそんなこと言ったな




「お洋服もお化粧も清楚な感じで素敵です」




ラベンダーカラーの大袈裟ではない控えめなドレス




それに合わせたピンク×ベージュのバイカラーネイル



今日は口紅ではなく、スイートなんとかっていう色、まぁ言ってしまえばピンク色のグロスだ




「この後２人で飲み直しません？」




アンタ女いるでしょ、なんて思いながら貰ったっぽい名前入りのジッポーをチラッと横目で見る



面倒事に巻き込まれるのはごめんだわ、なんて思いながらマイルドな断り文句を口から出そうとした瞬間




蘭世「駄目だ」




突然背後から抱きしめられた




『蘭世？』「黒名選手！？」




蘭世「Aは俺のだ。手を出すな」




見合い相手が目をパチパチとさせている




蘭世「個室に行ったらAがいなくて焦ってこっち来た」




『親のとこ行ったの？』




蘭世「行った。両家から何故か歓迎された」




『それ、どういう流れよ』




「俺んち家族全員、大のサッカーファンだから」




見合い相手はウキウキさせながら「握手良いですか？」とお願いして、蘭世もぺこっと挨拶をして握手をしている




…なんだこれ

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