その頃 ※友人A ページ19
Aの友人side
近所のバルに到着し案内されたテーブル席へ向かうと、既にAはメニューを見ながら待っていた
『久しぶり』
くいっと口角を上げてさっぱりと挨拶するA
約半年振りにも関わらず「ひさしぶり〜！」「元気だった〜？」というキャッキャ感は無い
最近で1番ハイテンションだったのは…有馬記念で3連複を当てた時だったか
『頼むの決まってる？』
「ビールのハーフ&ハーフ」
Aの黒ビールと私のハーフ&ハーフが届きグラスを軽く手元で持ち上げアイコンタクトで乾杯をする
何口か飲んでから二人してバッグから煙草を取り出す
私が火をつけると『あ、火忘れた』と言いながら、慣れた動作でとびきり綺麗な顔が近寄ってくる
そのまま私の持つジッポーに灯る火を攫っていった
Aはのんびり吸い込んだ後、人がいない方を向きゆっくりふぅっと吐き出した
『ヤニ不足解消』
「ヤニ不足って、禁煙でも始めたの？」
『ナチュラルに2日禁煙した』
「恋人の影響？」
灰皿にトントンと灰を落としながら問いかける
Aが特定の相手を作るなんてありえないよなぁと思いながら
『まぁね』
…え？
待って待って混乱
軽くパニック、いや重くパニック
いやいや重くってなんだよ
年末会った時は恋人作る気なんてさらさら無い感じだったじゃん！
「そもそも帰国した理由ってお見合いするためでしょ？色々といいの？」
『お見合い相手も恋人いるだろうし。お互い親の面子立てるためのパフォーマンスだから』
お見合いをパフォーマンスって
『でも、』と少し考えるような表情
『彼にはちゃんと伝えるよ』
うわ…、誰よコレ
私が知っているAは恋愛の順位どこ？ってくらい優先順位ランク外だったのに
今は死語で時代遅れの“飲みニケーション”“たばコミュニケーション”三昧よ？
その場限りを楽しく過ごす、面倒になったらのらりくらりとかわしながら綺麗に切る
そんな子だったのに
「相手、どんな人？」
『“天使の誘惑”見て目をハートにする人』
「たまんないね」
そう話すと、Aはふわりと笑顔で相槌をした
恋愛を面倒で億劫がってたAが好きになった人
この自由人にわざわざ恋人という窮屈なポジションを選ばせるまでの相手
そんなの素敵な人に決まってる
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 173人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かにみそ(プロフ) - とぅにさん» ぇー！すっごく嬉しいです！そろそろ何か他作品でお話し書こうかなぁ〜、なんて調子に乗りそうです笑コメントありがとうございました！ (2月21日 12時) (
レス) id: 1925cdb09b (このIDを非表示/違反報告)
とぅに(プロフ) - あのもうすっごく好きです (2月21日 4時) (レス) id: f762a0f36d (このIDを非表示/違反報告)
かにみそ(プロフ) - 瑠宇さん» コメントありがとうございます！私は書きたいがまま好き勝手書いているので全然すごいとかではないです笑瑠宇さんの作品もきっと瑠宇さんらしさが出て素敵なお話なんだろうなぁと妄想しました😊改めてコメントありがとうございました！ (7月23日 13時) (レス) id: 6a71e9dfeb (このIDを非表示/違反報告)
瑠宇 - 僕も黒名くん系統の作品を書いてるのですが、全然違います。かにみそさんすごいです。何故比べようと思ったのか、自分が莫迦に思えます。 (7月23日 13時) (レス) id: f169115c31 (このIDを非表示/違反報告)
かにみそ(プロフ) - さつきさん» コメントありがとうございます！さつき様のボード拝見させて頂いたところ（勝手に見てすみません）凪君推しだとか！にも関わらず黒名君作品に足を運んで頂き嬉しいです！余談ですが孤爪君、狗巻君、グルーシャ、イタチ推しとのこと、わかります笑 (7月23日 13時) (レス) id: 6a71e9dfeb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かにみそ | 作成日時：2023年2月4日 19時
