【ブルーロック】夏の偶然【黒名蘭世】

偶然❷ ページ12

『蘭世のこと、もっと教えて？』




アーモンドをつまみながらそう聞くと




蘭世は突然思いついたようにスマホを取り出した




蘭世「俺、コレ」




発した言葉合計４文字




口数少なっ




なんだか面白くて笑いそうになったが、動画の中の彼のプレイが鮮やかで、言うまでもなく上手で驚きの方が優った




というか




『バスタードミュンヘン所属なんてエリートじゃん』





サッカー大国ドイツの超名門チームで活躍できることの凄さは、サッカーにわか勢の私でも理解に容易い




この男、黒名蘭世がサッカー選手だなんて些か信じ難い現実を今やっと受け入れた




勿論、蘭世の発言を疑っていたのではなく、私の人生でサッカー選手と関わることがある現実に私自身が懐疑的だったから




蘭世「Aのことも知りたい」





そんな紹介動画無いわ、と冷静に思いながら





『私、コレ』





と、蘭世の口調を真似しながら学生証を出した




「真似された」と口を少し尖らせてボソッと言う口調がなんだかあざとい




蘭世「この大学通えるなんてエリートだな」




『サッカー選手になれる方が凄まじいでしょ。畏敬の念を抱いたわ』




グラスに入ったワインを飲み干し、また注ぐ




なみなみと注いだワイングラスを見て





蘭世「その量注ぐ奴初めて見た」



　
と笑われた


　

そのくせ蘭世も私と同じようになみなみ入れていたから




『私も』



と、目を合わせて笑い合った

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