【ブルーロック】２人の野良猫と宝物と

25.偵察　※アンリside ページ25

アンリside



『アンリさん、この日ウチの高校に練習試合で青森駄々田高校が来ます』



アンリ「え！？なんで！？わざわざ青森から！？」



『詳しいことは分かりませんが、サッカー部の人が言ってたんで間違いないです。』




アンリ「偵察行きたい〜でもその日、アポ取っちゃったよ〜」




『私がそっち行きますよ？』





アンリ「本当に！？お願いしてもいいかな！？」





『正直私に偵察頼まれても分かりませんし、そもそもスカウトは私の担当できる分野ではありませんからね〜』




アンリ「謙虚だねぇ、サッカーの専門書を片っ端から読み漁ってるのに。絵心さんにも借りてるって聞いたよ？」




『スカウトはアンリさんと絵心さんのようなプロがすべきで、私のようなど素人が首を突っ込むところではありませんよ』




アンリ「絵心さん、ということなので、Aちゃんにこっちの案件お願いしてもいいですか？」





絵心「別に構わない。何事も適材適所だ。」





アンリ「やった！教育関係者ってどうも苦手なんですよね〜。サッカー見る方が何倍も楽しいし！白宝高校の子達も折角だからみたいもんね！」




『そう言って貰えて光栄です！』




Aちゃん、なんだか過去に見たことがないくらいに嬉しそうな顔してんな。




まぁ誰だって自分の学校の生徒を応援したくもなるか。




アンリ「でもAちゃん本当に観なくて良いの？自分の学校と青森駄々田の試合なんて滅多にみられないよ？」




『私はアンリさんのアポの方行きますし、大丈夫ですよ』




アンリ「折角なら一緒に観に来ない？なんなら絵心さんに私がアポ取ってた学校に行ってもらうし！」




絵心さんの睨みつけるような視線は無視してっと。




『いえ、折角ですが遠慮します。後々私がスカウトに少しでも関わっていたと周囲が知れば“お金が動いてる”と疑われますので。李下に冠を正さず、ってやつです。』




なるほど確かに。アンフェアな選出だと思われるのは困る。




このプロジェクトは絵心さん中心にメンバーを平等に選出している。




もし“お金を払えば選んで貰える”なんて噂でも流れたら、ウチのイメージダウンにもなるし、なにせ選手達にも風評被害が及びかねない。





「あそこの家金持ちだから選ばれた」「あそこの家はAグループ、うちの関係者と繋がりがあるから選ばれた」なんて噂を立てられたらたまったもんじゃない。

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