弐話【後日談 山田の万年筆】 ページ4
山田「直ちゃん、万年筆買ったよ。」
先輩の手には、蓋はオレンジを、本体は茶色から黒のグラデーションを基調とした万年筆が握られていた。
直「そうですか。なんて言われたんですか？」
山田「えっと「この万年筆は、好き嫌いがはっきりしており、自分の好きな文学を貫き通すあなたとよく似ています。」だったかな。」
山田「手に取ると、なんていうのかな。もっと文を書きたい、自分の思う文を書いてたい。って思ったよ。」
直「先輩らしいですね。」
谷村「あ、山田先輩、万年筆買ったんですか？かわいいですね。」
山田「直ちゃんにオススメの店教えて貰ってね。かわいいでしょ。」
戸山「あまりにもお金の使い道がなくて困ってたんですが……万年筆がありましたか。」
宮内「誕生日プレゼント悩んでたから買ってもらおうかな……」
谷村「誕生日プレゼントお金もらったけど使ってないからな……良いかも」
直「みんな万年筆に興味があるのか。」
宮内「直先輩、お店紹介してもらえませんか？」
直「ちゃんと大切に使うなら問題ない。」
山田「やっぱり直ちゃんの敬語なし慣れない……」
谷村「そういえば直の万年筆ちゃんと見たこと無かった。見ていい？」
直「あんまりジロジロ見られるのは好きじゃないようだから手早くしてやってくれ。」
戸山「直さんは万年筆の気持ちが分かるのですか？」
直「はい、その店の万年筆には心があるそうで、持っているとだんだん分かるんです。気持ちや性格が伝わってきて、少しずつ意思の疎通も出来るようになるそうです。」
戸山「ほぉ……益々興味深いですね。」
宮内「直先輩、ありがとうございました!!」
谷村「今どんな事思ってる？」
直「私の手が1番落ち着くみたいだ。」
戸山「山田の万年筆も見せてください。」
山田「いいよいいよ。お、喜んでる。」
戸山「注目されるのが好きなんでしょうか？」
山田「あはは、多分そうだね。」
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作者名：狐花@リコリス | 作成日時：2017年5月14日 0時
