☆ ページ27
｢Aご飯食べよ｣
｢あ、塔子ちゃん！食べよ、今日は自分で作ったんだ〜！｣
斜め前の席で女子二人が弁当を広げる。桃色の手提げから出てきたのは彼女に似合う小さくて可愛らしい弁当箱で、彼女以外がこれを持つことなんて僕の頭の中では想像が出来ない。彼女はやっぱり桃色と可愛いが良く似合う。
入っていた卵焼きを小さく箸で切って口に運ぶ。それすらも愛らしくて、僕にとって目に入れても痛くない存在とは彼女のことなんだろう。
｢あ、ちょっとごめんメールきた｣
バイブ音とランプが赤く光る。そこら辺の女子と違って彼女は流行りの曲を着信音なんかにしない。あんな世界観も歌詞も意味が分からない曲なんてどこがいいんだか。
そういう所をよく理解している、僕と同じような感性の彼女はやっぱり愛らしい。
隣になったら僕と話が合うはずだ。
ふわりと彼女がまた笑う。香水なんかしていないはずなのに、僕の元まで彼女にぴったりの香りが飛んできた。
｢誰から？｣
｢え、ああ友達だよ？｣
｢ほんとに〜？彼氏じゃないの？｣
｢違うよ。ちょっと待ってて｣
座っていた椅子から立ち上がり薄ら寒い廊下へ出た彼女。そんな何ともない仕草で僕の心臓はとくとくと動き出す。ああやっぱり彼女は運命の人なんだと思えて、顔の周りが熱く感じた。
いても立ってもいられなくなって僕は彼女が居る廊下へと足を進めた。
｢桧山くん？何どうしたの？｣
｢わりぃ！百円貸して！｣
｢何それ、普通彼女に頼まないでしょ｣
｢だって真っ先に浮かんだのお前だったし｣
彼女、彼女、彼女。多分聞き間違いなんかじゃないあの可憐な僕の理想の女の子である彼女が、あんないかにも不良です。みたいな奴の彼女なんて信じたくない。でも桧山の前で話す姿はいつもよりも光っていて嬉しそうに見えて仕方ない。どんな友人と話す時よりもきらきらしている、嫌だそんなの。
ポケットから百円を取り出して桧山の手に触れる。ちゃんと返してねと薄い唇がそう言って、僕の中の彼女は壊れた。
続く
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ち の ち ゃ ん 。(プロフ) - うわあああん可愛い😭😭もどかしい感じがたまらなくいいです😭💗ありがとうございます🙇🏻♀️🙇🏻♀️💗 (11月26日 22時) (
レス) @page21 id: a284f3be6e (このIDを非表示/違反報告)
藤の花(プロフ) - ち の ち ゃ ん 。さん» ご感想ありがとうございます。御子柴君、私も大好きな方なので少しずつお話を書いていこうと思ってます！ (11月19日 13時) (レス) id: 38d8ba4bed (このIDを非表示/違反報告)
ち の ち ゃ ん 。(プロフ) - めっっっっっっちゃ好き😭言葉選びが繊細で素敵😭💗 見ててすごくしあわせな気持ちになれる😢 よければ御子柴君とのお話もっと見たいです😭💗 (11月18日 17時) (レス) @page14 id: a284f3be6e (このIDを非表示/違反報告)
藤の花(プロフ) - yit高梨アヤメ@うちの子マジ可愛いさん» ご報告ありがとうございます😭直しました (8月29日 18時) (レス) id: 38d8ba4bed (このIDを非表示/違反報告)
yit高梨アヤメ@うちの子マジ可愛い(プロフ) - 失礼します、オリ.フラ立っちゃってますよ〜💦 (8月29日 18時) (レス) id: 945705f77e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藤の花 | 作成日時：2023年8月29日 16時
