おとぎ話のような世界で (ページ7)

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あなたsaid

今日から１週間の間は閉じ込められることもなくずっと自由。

あなた『はぁ…………朝ごはん食べよ』

当たり前のように置かれている冷めたご飯を食べて今日のお昼からはそれもないと考えると少し気分が楽になる。

ご飯を食べ終わってクローゼットを開けてドレスを探す。

姉のことだから朝からとてつもなくどピンクのドレスを着てくると思う。
それは継母も同じだと思うからあえてシンプルな薄い黄色のドレスを選ぼう

着替えて髪を軽く束ねて部屋の外に出る。

あなた『昼間から外に出るのはすごい懐かしい。』

すこし歩いて階段を降りてお城のお庭に行く。

ここでお母さんの日記に書いてあった秘密の裏庭を探したいと思って歩いていると誰も見つけられないようなところに裏庭に続く扉が隠れていた。

扉を開けると中にはブランコがありたくさんのバラで囲まれていた。

あなた『バラのいい香りがする……』

思わずお母さんがそばにいるように感じブランコに座り少しのあいだゆっくりとした。

あなた『あ、お昼には門のところに行かなきゃだった！』

急いで扉を閉めてお庭を駆け抜けお城の中に入り門のところまで走る。

既にお姉様やお父様や継母はいた。

お姉様は予想通りのどピンクのドレスで継母は濃い紫のドレスを着ていた。

お姉様『あら、今回は私のお見合い舞踏会に参加もしてくれてありがとう。でもね、あなたを呼んだ理由は私の綺麗なドレスの隣に貴方みたいなドレスを着ている人がいると私が目立つからなの。それを狙ってるのよ』

継母『あなたはちゃんとしたドレスを作ってもらえないからねぇ』

あなた『出れるだけでも私はいいわ。お姉様が綺麗に映るのなら私はどう思われてもいいわ。』

こんなことを言う私だけどちっともこんなこと思ってなんかない。

本当は寂しい気持ちでいっぱい。

お母さんがまだいたら私はどんな人生を歩んでいたのだろうかなって思う。

執事『バンタン王国の馬車がお見えになりました』

お父様『では、迎え入れよう』

私はなんだか少し嫌になり、お父様、お姉様、継母の3人の後ろに移動した。

お姉様『あら、後ろに行ってくれたの？余計私が目立つわー』

あなた『なら良かったです』

こんなこと思ってもない、

この１週間は私が辛くなるのかな…………

これなら部屋に閉じ込められている方がましに感じるよ。