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43side緑 ページ44

一週間ぶりの大学。

昼休みになりひとりベンチに腰掛ける。








Aが居なくなって一週間。


俺は抜け殻やった。
体じゅうの涙は多分もう全部流れ出てしもた。








やっと、やっと...手に入れた幸せだったのに...


信じられなかったし信じたくなかった。




あの日Aは付き合っとる男に会いに、別れ話をしに行ったはずやった。
なのにその日の夜Aからきたメールは俺を地獄に突き落とすような内容やった。

信じられない...きっとその男に何か言われたんやろ?
うまいこと言われてそそのかされたんやろ?


...せやけど...せやけどホンマに俺のこと大事に思ってくれてるんなら他人に何言われても俺のとこ帰ってかてくれるハズやんな...?


そう思うと絶望と悲しみしか湧いてこんかった...


天国から地獄へ一気に突き落とされた俺は、やっぱり神様に見放された罪深い人間なんやろな...





実の姉を愛してしまい、

そしてその醜い想いの末に





殺人を黙認してしもた......。







あの日、

あの男が死んだのは

事故なんかじゃない。



Aを駅まで迎えに行った俺が見たのは

あいつが別の男に背中を押されて

線路に落ちるところやったんや。




俺は言えんかった...




だって背中を押したそいつは...








...そこまで考えて、もう午後の授業なんて受ける気には全くなくなっていたので帰ろうと思い立ち上がる。







絶望のどん底にいる俺は今まで封印していた記憶を少しずつ思い出していた。
少なからず殺人現場を目撃してしまったんや...

そのことを一生自分だけの胸に秘めておこうと決めてから、そいつの顔を思い出す事もずっとためらっていた。









............ドンっ









その時、誰かにぶつかった。









『あっ、すんません!』








..................え








頭を下げてそのままその場を去ろうとした俺の耳に伝わるその声は





過去に聞いたことのある声だった。







俺の、



目線の先にあるものは



過去に見たことのある男の顔だった。









その瞬間、全身に血が回り、体じゅうに力がみなぎっていくのがわかった。









Aが何か怖ろしいことに巻き込まれていると確信たからや。

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Kanan(プロフ) - くまごろさん» わーありがとうございます!最近書いてなかったのでまた頑張りまーす (2018年1月9日 12時) (レス) id: 087bd927e3 (このIDを非表示/違反報告)
くまごろ(プロフ) - とてもドキドキさせられる展開で続きが楽しみです。更新頑張ってください(^^) (2018年1月8日 23時) (レス) id: 058fe49244 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Kanan | 作成日時:2017年11月19日 19時

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