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『ほんまに元気そうで良かったわぁ。
全然帰ってきぃへんから心配しとったんやぞ?』

『もぅ〜ホンマごめんって、、てか何回同じ話すんねん 笑』

久しぶりの実家はやっぱり居心地が良かった。

両親はあっくんが死んだ時も無理に色々聞いたりもせずそっと私を見守って支えてくれた。
こんな大切な人の悲しむ顔...見たくないねん。。

淹れてもらった紅茶を飲み干し、一息つくと、
『...なぁ?そういえばともは?』
私は世間一般の普通のいいお姉ちゃんらしく、姿の見えない弟の名前を出した。

『二階にいるはずよ?そう言えば...
お姉ちゃん帰ってきたの気づかないのかしら?
...ともー??』
母がパタパタとスリッパの音を響かせながら階段下から声をかける。

『お母さんええよ?荷物置きにいくし私見てくる』
そう言って私は立ち上がった。


...大丈夫
淳太くん...私には淳太くんがいる


ゆっくりと階段を上がった。
ともの部屋の前まで来て...ノックする。


トントン

『...とも? ...入るよ?』

ガチャ



とも...?



久しぶりに見る弟は、

...金色の髪をしていた。



すこし目にかかる前髪、そこから覗く目は...

わたしの知っているものよりもずっと研ぎ澄まされて冷たいものだった。

赤いヘッドホンを付けて音楽を聴いていたともは
驚く様子もなくゆっくりヘッドホンを外す。

『ひ...久しぶりやね』

『帰ってたんか...』
『うん... とも、雰囲気変わったね...』
『...別に、、髪染めただけや...』

そう言うと、ともはまたヘッドホンをしてぷいと顔をそらしてしまった。


え...


...以前よりも冷たい態度の弟に
心が、ズキズキした。


何なん?


何なん?


久しぶりに会ったんやで?


隣の元自分の部屋に荷物を置きに入り、殺風景なその部屋を眺める。
胸に手をぎゅっと当ててみた。

胸が凄く、苦しかった。

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Kanan(プロフ) - くまごろさん» わーありがとうございます!最近書いてなかったのでまた頑張りまーす (2018年1月9日 12時) (レス) id: 087bd927e3 (このIDを非表示/違反報告)
くまごろ(プロフ) - とてもドキドキさせられる展開で続きが楽しみです。更新頑張ってください(^^) (2018年1月8日 23時) (レス) id: 058fe49244 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Kanan | 作成日時:2017年11月19日 19時

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