世界を統べる者たちよ【神樹を守る子ら】【リレー小説】 (ページ6)

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メガネが1つページ6

私は、昼頃にようやく職務から解放され、束の間の休息をとる。
駐屯街の一角のカフェテラス。
そこで用意されているのはいつもの通り私の大好物たち。
店主と日頃仲良くさせていただいているために、時々彼はご好意で下さるのだ。
美味しい食事に舌鼓を打っていると、悲鳴が聞こえた。
聞くとひったくりの被害らしい。
…全く、アグノマギアやクリーチャーの被害に乗じてそこまでするとは、下衆なものめ。
私は店主に取り置きを頼んでからすぐに追いかける。
走る。走る。かなり走った。
ひったくりも私も、路地裏の行き止まりに差し掛かり、私はすかさず足と腕の筋肉に離断魔法をかけて肉離れを起こさせる。
ひったくりは野太い悲鳴をあげてのたうち回る。
盗られた荷物とひったくりを抱える。もちろん重いのでどちらも重さの概念など離断済みだ。まあ元に戻せるだけありがたいと思っていてください。
警察にはひったくり、被害者の方々には荷物を返して、カフェテラスに戻った。
コーヒーや料理が冷めてしまってはいたが、きちんと食べてから店主に代金を払い、また駐屯街を巡る。
アグノマギアや、内包されている組織である少年隊や樹木医師団。
彼らがもたらす憂鬱は、この休息の時間だけは消えてくれるのだ。
平和に見える街を歩いて、私はまた視察と休息を遂行した。
ああ良かった。今日もまだこの街は壊されていなかった。
蛇の尻尾をくゆらせて、私は本部へと駆け足で帰ったのだった。