6.二人きり ページ6
「リッチー、最近どう?」
リッチーと二人きりになりたい、5分で終わるからとみんなに伝えるとすぐどこかへと行ってしまった。
ドアの閉まる音がしたから、きっと外に出たんだなと。そして私はリッチーに聞く。
リッチーは
『いつも通りさ!でも二人きりなんてどうしたんだ?急に』
といつもの調子で言うものだから。
「あら、エディとの進展を聞いてるのよ?」
そう言えば彼は顔を顰め、重々しく口を開く。
『あー…。なるほど、それなんだけど。』
『エディ、好きな人が居るみたいなんだ。しかもビルやスタンリーもさ!』
きっと女の子に違いない、と言う彼に私は
「えぇ、きっとそうね。でももしかしたらチャンスがあるかも知れないわよ」
と言う。
あったら嬉しい話だ。と悲しそうに笑う彼を見ると辛くなった。
「あ、そう。私貴方にもう1つ大事な話があるのよ」
と言えば彼は不思議そうに顔をこちらへ向ける。
『なんだ?俺に大事な話って。』
彼がいつになく真剣な顔をしているからか緊張してしまう。
私は深呼吸をしてベッドから立ち上がり彼の前へ立った。
「実は私、貴方のことが…」
そう言いかけた瞬間、ドアの開く音がした。騒ぐ声を聞いて「いや、また今度…」と言いベッドへ戻ろうとすれば彼は私の腕を掴み
『いいから。』
続けてと言う。私は決心し、
「私は貴方のことが好きなのよ。リッチー・トージア。でも告白する前に貴方の好きな人を知ってしまったから、私はこの気持ちに区切りを付けるために今日、告白がしたくて二人きりになったの」
好きなのよと同時にドアが開いた。そのまま閉じることもなくきっとこちらを見ていただろう。
でも私は気にせず続ける。
「振られる覚悟は出来ているの。ビルやエディ、スタンにも相談してた。貴方の気持ちに気付いたあの日に、私は嘘をついたの。振られたと。でも彼らに嘘をつき続けるのは良くないって思った、だから今日振られるために告白をしようと思ったのよ」
このときの私はきっと震えていた。泣きそうになっていたのだろう。リッチーは驚いた顔と共に、
『あぁ、……ごめん。その気持ちには答えられない。でも嬉しいさ、ありがとう』
と答えてくれた。私は少し笑うと
「そうよね、知っていた。あ、そうだ!」
こんな状況で気まずいだろう、と思いみんなでお泊まりしましょ!今日は親が帰ってこないのよ!と誘うと
『分かった、いいよ』
そうみんなは答えてくれた。
私の初恋は切なく淡いものだ
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作者名:要 | 作成日時:2019年12月8日 17時