17.期待 ページ17
Stanley side
彼女が僕を見つめたままボーッとする。
どうしたのだろう、と心配し顔を覗かせ聞いてみる。
すると彼女は顔を赤くし逸らした。
熱かな、と思い心配が重なる。
メンバーのみんなも心配している様子だったが、リッチーが『恋した乙女みたい』と言うものだから僕は期待をしてしまった。
無駄だと思う、単なる熱だと。それでももしかしたら、と微かな希望を抱いてしまう。
彼女は振られたばかりだから優しくしていれば好いてくれると思い接していたが奇跡が起きるのだろうか、と。
暫くして、体調が戻った彼女はビルと約束していたために一緒に歩いて帰っていった。エディやリッチーもそれぞれ帰路につく。
僕はみんなを見送ったあとに荷物をAの家に置き忘れていることを思い出した。
まぁでも遅い時間、今行っても迷惑だろうと思い、明日にして僕はお風呂に入る。
少ししてお風呂を出て部屋に戻る。
するとチリリリッと電話が鳴る。こんな時間に誰だろ、と思い出てみると。
その声の持ち主はAだった。
『い、今から会えないかしら!』
こんな遅くに?どうして?
「遅くに出歩くと危ない、明日じゃダメなの?」
『う、…そうよね、迷惑だったわね。』
『スタンの荷物、返そうと思ったんだけど…』
「それなら明日行こうとしてたんだ、迷惑じゃないけど君みたいな女の子を1人歩かせてしまっては…」
メンバーに怒られる、と言うと彼女は
『分かったわ、また明日、』
と少し残念そうに言い残して電話を切った。
ツーツーとなる電話。僕は今ものすごく間抜けな顔をしているだろう。
開いた口が塞がらないとはこのことかな、と自覚した。
はっ、と我に返り電話を置いては部屋に戻る。
「どうして、残念そうに…」
きっと返したかったんだ。親に怒られるんだろうか、それとも…いや、あまり期待してしまったら絶望しか出来ない。
今日はあまり考えずに眠りにつくことにした。
もし、もしもだ。
彼女が『会いたいから』という口実で電話をしてきたなら、
僕はとても嬉しい気持ちだし、断ってしまったと罪悪感もある。
どういう思いだったんだろうか…。
そんなことは、彼女にしか分からない気持ちなんだろうな。
彼女と居ると好きが増してしまう。
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明けましておめでとうございますm(*_ _)m
そろそろ終盤に向かっていくつもりですので、楽しみにしていただけたと思います!
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作者名:要 | 作成日時:2019年12月8日 17時